2001 Fiscal Year Annual Research Report
骨再生誘導法によって得られた新生骨に対するイプリフラボンの吸収抑制効果
Project/Area Number |
12672042
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
伊藤 公一 日本大学, 歯学部, 教授 (90102607)
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Keywords | 骨再生誘導法 / 家兎 / 頭頂骨 / 新生骨 / イプリフラボン / 吸収抑制 |
Research Abstract |
骨粗鬆症薬であるイプリフラボン(7-isopropoxyisoflavone:IP)は,骨量の減少を防ぎ,骨量を増加させ,さらに骨芽細胞の細胞活性の上昇や石灰化物形成能を早期に促進すると報告されている。そこで申請者は,ウサギ頭頂骨に設置したチタンキャップ内の骨増生に及ぼすIPの影響を調べた。 雄性日本白色家兎に全身麻酔および局所麻酔を施し,左右頭頂骨を露出させ,内径8mm,高さ4mmの半円球状のチタンキャップを設置した。その後,皮膚および筋層を復位,縫合した。実験動物を,術後からIP投与を開始するIP投与群と実験期間を通してIPを投与しないIP非投与群に分けた。3ヵ月飼育後,上記同様頭頂骨を露出させ,各群とも片側のチタンキャップを除去し,増生した骨の精密印象採取を行い,硬石膏を注入,硬化後切り出し計量し,これを臨床的骨増生量とした。キャップ除去後さらに1ヵ月飼育した後全身麻酔を施し安楽死させ,チタンキャップを含む周囲骨を一塊として切り出したものを対照群とし,以前にチタンキャップを除去した方を実験群とした。厚さ約70μmの非脱灰研磨切片を作製し,光学顕微鏡下で新生組織の観察を行い,切片写真をパーソナルコンピューターに入力後,画像解析ソフトを用いてチタンキャップ内の新生組織を評価した。 現在、組織学的評価を進行中であり、これまでの分析結果をまとめると以下のようになる。骨髄のピクセル数に対する骨梁のピクセル数の割合(%)において対照群で,24.9±9.44%,実験群では33.15±2.53%であり,実験群において,骨梁の割合の多い新生組織形成が認められる傾向があった。また,骨増生量についてはキャップ除去後1ヵ月の維持率は対照群で61.3%,実験群で94.7%であった。以上のことよりIPは,質の高い骨増生を促し,また,キャップ除去後においても高率で骨量を維持することが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] MINEGISHI T, et al., ITO K 7, (7)番目: "Effects of ipriflavone on bone augmentation within a titanium cap in rabbit calvaria"Journal of Oral Science. 44・1(in press). (2002)
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[Publications] ITO K et al.: "Inhibitory effects of ipriflavone on augmented bone resorption within a titanium cap in rabbit calvaria"The 2002 AAP Annual Meeting in New Orleans. (発表予定). (2002)