2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12672044
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
石原 裕一 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (50261011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大口 将弘 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (00319196)
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Keywords | 歯肉溝滲出液 / 早期発症型歯周炎 / 成人性歯周炎 / IL-1α / IL-1β / IL-1ra |
Research Abstract |
歯周炎患者の歯肉溝滲出液(GCF)中に存在する,炎症性サイトカインのうちInterleukin-1α(IL-1α),IL-1β,IL-1raをELISA法により測定したところ,歯肉の炎症が高度に進行するに従いIL-1α,β,raの産生が亢進した.歯周初期治療により,IL-1αとIL-1raは炎症が消退するのに従い産生が減少した.しかしIL-1βは炎症が消退しても,産生が減少しにくい傾向が認められた.そこでIL-1αとIL-1βはその歯肉組織中での局在に違い,おそらくIL-1αは炎症の消退しやすい歯肉表層に多く,IL-1βは歯肉の深層あるいは結合組織に存在するのではないかと考え,IL-1αとIL-1βに対するモノクローナル抗体を用い,免疫組織学的評価を行ったところ,IL-1αは歯肉に限局して存在していたのに対しIl-1βは歯肉全体に存在していた. 次に歯周炎の病態の違いが産生するIL-1にも影響するか否かを,歯周組織の破壊の程度が同程度である,早期発症型歯周炎患者(EOP)と成人性歯周炎患者(AP)の間で比較したところ,GCF中のIL-1αとIL-1raはAPとEOPの間において,ほぼ同程度であったのに対し,IL-1βはEOPの方が高い傾向を示した. したがって,これまでの報告でIL-1αとIL-1βの生理活性はほぼ同じであると認識されているが,炎症性歯周組織の表層にはIL-1αが存在し,炎症の程度に直接反映されて産生されているのに対し,IL-1βは結合組織により多く存在し,歯槽骨吸収により強く関係している可能性が示唆された.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ishihara Y. et.al.: "Regulation of immunoglobulin G2 production by prostaglandin E(2) and platelet-activating factor"Infect.Immun.. 68・3. 1563-1568 (2000)
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[Publications] 早川祐久: "検査値を見る。読む。"デンタルダイヤモンド社. 239 (2000)