2001 Fiscal Year Annual Research Report
海綿由来アデニンジテルペン系抗腫瘍代謝産物アスマリンAの合成研究
Project/Area Number |
12672051
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大場 正志 金沢大学, 機器分析センター, 助教授 (60115219)
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Keywords | 海綿代謝産物 / アデニン / クレロダンジテルペン / アスマリン / ヒドロキシルアミン / プリン環 / ピリミジン / 抗腫瘍活性 |
Research Abstract |
海綿より単離されたアデニン-ジテルペン系アルカロイドasmarine A-Fの合成と構造決定のための基礎研究として、昨年度に引き続きそれらの三環性複素環部分に担当する[1,4]diazepino[1,2,3-gh]purine骨格の合成法を確立することを目的とし、以下の研究成果を得た。 1.コバルト錯体共存下、6-chloropurineをΝ-(3-bromopropyl)-Ν-(methoxymethoxy)carbamic acid allyl ester (1)で直接アルキル化すると収率43%で7位アルキル体2を優先して与えた。一方、ピリミジン体を1でアルキル化後,閉環する方法では通算収率64%で2を与えた。 2.7位アルキル体2のAlloc基を除去後、6位での分子内アミノ化反応(収率75%)および脱MOM化(88%)を経て、asmarine A, Bの複素環部分に相当するヒドロキシルアミン体3を合成した。 3.6-chloro-7, 9-dihydro-9-methyl-8Η-purin-8-oneの7位をΝ-(3-bromopropyl)carbamic acid tert-butyl esterとΝ-(3-bromopropyl)-Ν-methoxycarbamic acid tert-butyl esterでそれぞれアルキル化後、6位で閉環(収率99%と98%)し、さらにBoc基を除去(収率97%と78%)することにより、asmarine C, Dの複素環部分のモデル化合物であるアミン体4とasmarine E, Fのそれに相当するメトキシアミン体5を合成した。 今回合成した3種の三環性複素環化合物3-5のスペクトルデータはasmarine A-Fに対して提出されている構造のうち複素環部分の構造がいずれも妥当しないことを支持している。 今後,ジテルペン部分を有するアミン体を合成し、それに本年度確立した複素環部分の合成経路を適用し、asmarine A-Fを合成する計画である。
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