2000 Fiscal Year Annual Research Report
アセタール由来の渡環型オキソニウムイオン種を利用する不斉識別手法の開発とその応用
Project/Area Number |
12672054
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤岡 弘道 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (10173410)
|
Keywords | (R,R)-ヒドロベンゾイン / エンアルデヒド / エンアセタール / 分子内ハロエーテル化反応 / ステニン合成 / ノルボルネンアルデヒド / メソ-1,3-ジオール / 不斉非対称化 |
Research Abstract |
我々独自のエンアセタール類の分子内ハロエーテル化反応により生成するキラルなオキソニウムイオン種を利用する不斉識別手法の展開と応用を目的として、以下の研究を行った。まず、1)多不斉中心の立体選択的構築-ステモナアルカロイド類の合成研究として、光学活性なジオールとシクロヘキサジエンアルデヒドから合成したシクロヘキサジエンアセタールの立体選択的ハロエーテル化反応により2個の二重結合の識別に成功し、さらにアセタールによる固定と立体反発を利用して立体選択的な反応を行い、新たに3個の不斉中心を一気に構築できた。このものからステモナアルカロイドであるステニン合成を目的として含窒素5員環を持つ化合物へと導いた。現在、更なる検討を行っている。また2)σ-対称ジオール類の不斉非対称化として、我々の見い出した光学分割法により、種々のノルボルネン骨格を有するエンアルデヒドを自由に設計し、光学的に純粋に得ることが可能となったため、次に本不斉非対称化法を他のメソジオールにも応用するべく検討を行った。その結果、反応面の背後にエンド置換基を有するノルボルネンアルデヒド化合物を不斉源に用いることにより、エキソ置換基を有するノルボルネンアルデヒドでは十分な選択性の出なかったメソ-1,3-ジオールの不斉非対称化を高収率、高立体選択的に行うことに成功した。尚、アルデヒドの付け根に水素原子がある化合物は容易にアルデヒドの異性化を起こすため取り扱いに注意を要したが、極く最近、付け根にメチル基を導入した化合物を開発し、この問題も解決できた。
|
-
[Publications] Fujioka,Hiromichi: "Asymmetric Desymmetrization of Saturated and Unsaturated meso-1,2-Diols"Tetrahedron. 56. 10141-10151 (2000)
-
[Publications] Fujioka,Hiromichi: "Optical Resolution of Racemic Norbornene Aldehydes : Kinetically Controlled Intramolecular Haloetherification of Ene Acetals"Tetrahedron Letter. 41. 1829-1832 (2000)