2001 Fiscal Year Annual Research Report
カルコゲノ-ベイリス-ヒルマン反応に特有な反応の開発
Project/Area Number |
12672056
|
Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
片岡 貞 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00082975)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 真一 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (40275095)
岩村 樹憲 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (70184900)
|
Keywords | ベイリス-ヒルマン反応 / スルフィド / ルイス酸 / マイケル付加 / アルドール反応 / ハロメチレンアルドール / アルキン / β-ハロアクリル酸エステル |
Research Abstract |
アルデヒドと活性アルケンのカルコゲノ-ベイリス-ヒルマン反応から得られる生成物がα-ハロメチルアルドールであり、この反応は当初考えたカルコゲニドがマイケル付加して起こる反応ではなく、活性アルケンにハロゲン化物イオンがマイケル付加して進行すると考えられるので、カルコゲニドがマイケル付加して起こる反応を検討した。 o-メチルチオフェニル ビニル ケトン1を2当量のBF_3・Et_20存在下、アルデヒドと反応させると、ベイルス-ヒルマン付加物2とスルホニウム塩3がそれぞれ収率18%、62%で得られた。この反応はボロンエノラートを中間体として進行すると推測されるので、1とBF_3・Et_20をCDCl_3中で反応させ、その^1H-NMRスペクトルからボロンエノラートの生成を確認した。今回新しく開発したこの分子内連続マイケル-アルドール反応は、対応するセレン化合物でも同様に進行したが、硫黄化合物の場合より容易に脱メチル化が起こり、セレノクロマノン誘導体が副生した。また、スルホニウム塩3はシン-アルドールのみが得られ、アンチ体が得られなかった。この理由は、別途に標品を合成して炭酸水素ナトリウムに対するそれらの反応性を検討することにより明らかにした。この反応をアミン触媒では反応が起こらないα-ケトエステルに適用すると、ヒドロキシエステルが生成した。 一方、アルデヒドと活性アルケンをBBr_3・Me_2S存在下に反応させると、後処理の方法を変えることにより、α-メチレンアルドールとα-ブロモメチルエノンを選択的に合成できることを見出した。
|
-
[Publications] T.Kataoka, S.Kinoshita, H.Kinoshita, M.Fujita, T.Iwamura, S.Watanabe: "Self-assisted Tandem Michael-aldol Reactions Mechanism of α, β-Unsaturated Ketones with Aldehydes"Chemical Communications. 1958-1959 (2001)
-
[Publications] T.Iwamura, M.Fujita, T.Kawakita, S.Kinoshita, S.Watanabe, T.Kataoka: "Dimethyl Sulfide-boron tribromide-mediated Reactions of α, β-Unsaturated Ketones with Aldehydes : One-pot Synthesis of Baylis-Hillman Adducts and α-Halomethyl Enones"Tetrahedron. 57. 8455-8462 (2001)