2001 Fiscal Year Annual Research Report
糖水酸基の位置選択的活性化に基づく糖鎖の効率的合成法の開発
Project/Area Number |
12672059
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
梶 英輔 北里大学, 薬学部, 教授 (60050598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広谷 聖子 北里大学, 薬学部, 助手 (20050594)
矢後 和夫 北里大学, 薬学部, 教授 (10276157)
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Keywords | 糖鎖 / グリコシル化 / 有機錫試薬 / 錫アセタール / 糖水酸基 / 銀シリカアルミナ / グリコシルブロミド / 位置選択性 |
Research Abstract |
オリゴ糖の化学合成法の簡略化、効率化を目的として、従来の「保護-脱保護法」に代わる無保護糖の位置選択的グリコシル化法を検討した。すなわち、糖受容体の特定の水酸基を識別するため、反応系中で糖受容体の錫アセタールを形成させたのち、one-potで糖供与体を加えグリコシル化することにより短工程でβ(1→6)-結合の二糖を得る新規方法を見出した。 平成13年度は糖供与体として2,3,4,6-tetra-O-pivaloyl-α-D-glucopyranosyl bromide(1)を用い、種々の糖受容体のone-potグリコシル化を実施し、反応の収率と位置選択性を検討した。まず、無保護のmethyl β-D-galactopyranoside(2)をメタノール中ジブチル錫オキシドと反応させ、錫アセタールとした。メタノールを留去したのちジクロロエタンに懸濁し、Ag-silica aluminaの存在下、ブロミド(1)を加え反応させたところ、ガラクトースの6位選択的に結合したglucosyl-β(1→6)-galactose 誘導体(3)を収率72%で得た。次に、糖受容体をmethyl α-D-glucopyranoside(4)及びmethyl β-D-glucopyranoside(5)に代えて同様の実験を行ったところ、それぞれ対応するβ(1→6)-結合二糖を収率49%及び42%で得た。一方、受容体としてmethyl α-D-mannnopyraosideを用いた場合は、β(1→6)-及びβ(1→3)-結合からなる二糖混合物(1:1)を収率17%で得た。さらに糖供与体として2,3,4,6-tetra-O-benzyl-α-D-glucopyranosyl chloride(6)を用い受容体2及び5と反応させたところ、対応するβ(1→6)-結合二糖のアノマー混合物(β体優先)を収率60%で得た。
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