2000 Fiscal Year Annual Research Report
複合糖質を素材とした糖鎖分子と生体分子の相互作用の解明
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12672062
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Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
竹田 忠紘 共立薬科大学, 教授 (90106253)
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Keywords | Acidic tetrasaccharide / Anti-ulcer pectic polysaccharide / Bupleurum falcatum / Chemical synthesis / Glycosphingolipid / Echinococcus multilocularis / parasite / Host-parasite interaction |
Research Abstract |
近年、植物、動物をとわず細胞の認識に係わる現象に様々な形で、細胞表層の糖鎖が関与することが示唆されている。複合糖質の糖鎖の担う生物機能を解明するため、その素材を1)漢薬、サイコ中に含有される抗潰瘍活性を有する酸性多糖体、2)無脊椎動物中に含有される糖脂質に求めた。これらの複合糖質のモデル合成あるいは全合成を行なうことにより、糖鎖及び糖鎖複合体の高次構造を明らかにすることはもとより、機能性糖鎖、或いは糖鎖プローブの開発を行うことにより、機能の解析、活性最小単位に基づく分子設計及び再構築を目的とした。 1)標的多糖体の抗原決定基と考えられるラムノガラクツロナンコア構造(PG-1)は-4GalAβ1-2Rhamα1-の繰り返し構造と考えられ、この繰り返し構造を合成した。4位水酸基遊離のガラクトース誘導体にラムノースイミデート体を縮合させ、二糖とし、一方は、ラムノース2位水酸基遊離の受容体とし、一方は還元末端部位を活性化させ、互いを縮合させ、標的とする四糖を合成した。 2)エキノコッカスの一種から単離された新規糖脂質Fucα1→3Galβ1→6Galβ1-ceramide及びGalβ1→6(Fucαl→3)Galβ1→6Galβ1-ceramideの糖鎖部分の合成については、まず受容体である6位水酸基遊離の2-トリメチルシリルエチルグリコシド誘導体を作成し、糖供与体である3位と6位に異なった保護基を有するチオフェニルガラクトース誘導体を縮合させ二糖とした。3位水酸基遊離の二糖誘導体に導き、フコースを導入し三糖とした。一方で、Galβ1→6Gal誘導体の6位を脱保護し水酸基とした後、チオフェニルガラクトース誘導体を縮合して三糖とし、更に先の3位を脱保護してフコースを導入し四糖誘導体とした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Michiko Maruyama: "Synthesis of a model compound related to an anti-ulcer pectic polysaccharide"Carbohydrate Research. 325. 83-92 (2000)
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[Publications] Noriyasu Hada: "Synthetic studies on glycosphingolipids from the parasite Echinococcus multilocularis"Carbohydrate Research. 316. 58-70 (1999)
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[Publications] Noriyasu Hada: "Synthetic studies on glycosphingolipids from Protostamia phyla"Chem.Pharm.Bull.. 48. 1160-1165 (2000)