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2001 Fiscal Year Annual Research Report

生合成経路にヒントを得た、新合成ルートによるタキソールの全合成研究

Research Project

Project/Area Number 12672072
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

中田 雅久  早稲田大学, 理工学部, 教授 (50198131)

Keywordsタキソール / 不斉全合成研究 / 分子内ピナコールカップリング / 二ヨウ化サマリウム / 低原子価チタン
Research Abstract

C1,2位間での分子内ピナコールカップリングを効率的なB環構築法として確立するための具体策として、反応を効率良く進める試薬の検討と反応基質の構造最適化を行った。試薬については、これまでに比較的好結果を与えているSmI_2、低原子価チタンに焦点を絞り検討を重ねた。反応基質の構造最適化については、分子モデリングによる考察からC9,10位の水酸基の有無、それらの保護基の選択が環化の効率にどのような影響を与えるかを検討した。前者については、C9位に水酸基を導入し水酸基をMOM基で保護した基質1a、C9,10位に水酸基を導入し水酸基をイソプロピリデン基で保護することにより反応点の接近を期待した基質1bのピナコールカップリングを検討した。
その結果、基質1aではSmI_2を用いたときに収率20%、低原子価チタンを用いたときに収率23%で閉環体が得られた。基質1aのC環部分をシクロヘキサン環に置き換えた基質を別途合成し、そのピナコールカップリングにについても検討したが、閉環体の収率は17%であった。また、基質1bのピナコールカップリングの場合は、低原子化チタンを用いたときにのみ環化体が収率20%で得られた。
これらの結果から、C1,2位間でのピナコールカップリングの効率とC9,10位の水酸基の有無などの立体構造との相関関係はさほど大きくないと推測される。また、この反応では副生成物としてカルボニル基の還元体、特にアルデヒドの還元体がどの場合においても多く観察された事から、ケトン部分の一電子還元が比較的遅いと考えられる。そこで現在、更なる環化収率の向上を目指し、ケトンに試薬を誘引する効果、および試薬によりカルボニル基同士を接近させる効果を期待して、ケトン付近に水酸基を導入した基質の合成とそのピナコールカップリングを検討中である。

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Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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