2001 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素種消去を作用機序とする天然抗I型アレルギー物質の探索
Project/Area Number |
12672081
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
小野 政輝 九州東海大学, 農学部, 助教授 (60177269)
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Keywords | 活性酸素 / アレルギー / ロダン鉄法 / DPPH / ヒアルロニダーゼ活性阻害 / セドロン / マティコ |
Research Abstract |
現代人の5人に1人はアレルギーといわれている.特に,I型アレルギーに属する花粉症,気管支喘息,アトピー性皮膚炎等の患者数が多く,これらの疾患の発症機序に,活性酸素種の関与が考えられている。そこで本研究では,活性酸素種消去を作用機序とする天然抗I型アレルギー物質の探索を目的として,メタノールエキスの抗酸化スクリーニングにおいて,強い活性を示したセドロン(Lippia triphylla L.)地上部,ならびにマティコ(Piper elongatum)地上部のエキスの成分研究を行った. セドロン地上部からは,5種のaryltetrahyronaphthaleneタイプのリグナンと3種のフェニールエタノイド配糖体を得た.これらの化合物のうち,7種にロダン鉄法による抗酸化試験を行い,すべての化合物に合成抗酸化物質のBHAよりも強い活性を見出した.また,上記7種の化合物のDPPHラジカル消去活性試験では,リグナンは,すべてα-tocopherolと同程度の活性を示したが,2種のフェニールエタノイド配糖体の活性は,それぞれ,α-tocopherolの約3/4と1/2であった.一方,マティコ地上部からは,新たに各4種のフラボノイドとcyclogeraniolタイプのモノテルペノイド,ならびに各1種の双環性モノテルペノイドと新規aromadendraneタイプのセスキテルペノイドの計10種の化合物を得た.これらの化合物のうち,4種のフラボノイドは,ロダン鉄法でBHAよりも強い活性を示した.また、フラボノイドのうち唯一カテコール構造を有するものに,α-tocopherolと同程度のDPPHラジカル消去活性が確認された.さらに,この化合物はヒアルロニダーゼ活性阻害試験で抗アレルギー剤のDSCGの約1/3の活性を示した.
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[Publications] Masateru Ono: "Four New Halimane-Type Diterpenes, Vitetrifolins D-G, from the Fruit of Vitex trifolia"Chemical & Pharmaceutical Bulletin. 49・9. 1220-1222 (2001)
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[Publications] Masateru Ono: "Antioxidative and Antihyaluronidase Activities of Some Constituents from the Aerial Part of Daucus carota"Food Science and Technology Research. 7・4. 307-310 (2001)