2000 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能核磁気共鳴装置を用いた酵素リボヌクレアーゼの基質結合時の動的挙動の解析
Project/Area Number |
12672088
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
植田 正 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (90184928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 義人 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (60315091)
橋本 喜夫 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (50253472)
井本 泰治 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90038282)
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Keywords | リボヌクレアーゼT1 / NMR / pichia pastoris / 酵素誘導適合 / 緩和解析 |
Research Abstract |
ニワトリリゾチーム及び4-oxalacrotonate tautomeraseにおいて、基質類似体存在下で酵素の分子運動の増大が認められた。これらの2つの酵素で観察される現象の一般性を調べるために研究を行った。リボヌクレアーゼT1はこれまで、酵素-基質複合体のX線結晶解析や、酵素の動的な挙動について解析されている蛋白質である。そこで、この広く研究が行われている酵素を対象とし、その基質存在下での動的挙動を調べることを試みた。この酵素のcDNAを酵母Pichia pastorisに導入した。動的な挙動は核磁気共鳴装置を用いて解析するため、この酵素の窒素核を^<15>Nにて安定同位体ラべルする必要がある。安定同位体ラべル化試薬は、比較的高価なので、リボヌクレアーゼT1を高発現する酵母を選別し、活性で調べたところ、1L培養あたり10mgのリボヌクレアーゼT1を分泌する酵母を得た。次に、定法に従い培養後、アニオン交換樹脂にて粗精製を行い、蛋白質画分を透析後、HPLCに接続したResource Q(ファルマシア)を用いて、再精製を行った。この酵母は、蛋白質を高発現するものとして知られているが、しばしば分泌蛋白質のN末端にシグナル由来の不要なペプチドが付加していることが報告されている。今回、得られたリコンビナントリボヌクレアーゼT1は、市販されている標品とTOF-Mass解析から、同一の分子量を持っていることが明らかとなったので、N末に不要な配列が付加されていないことがわかった。紫外スペクトルの解析から、核酸類の混入もないことがわかった。^1H-^1HCOSYスペクトルは、以前報告されているリボヌクレアーゼT1と同一なスペクトルを与えた。次に、^<15>NH_4(SO_4)_2を含む最小培地で培養し、均一に^<15>Nラべル化したものを1Lの培養あたり10mg得た。この^1H-^<15>N HSQCスペクトルを測定し、測定条件での^<15>N核の帰属を終了した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mine et al.: "Analysis of the internal motion of free and ligand-bound human lysozyme by use of N-15 NMR relaxation measurement : A comparison with those of hen lysozyme"Protein Science. 9・9. 1669-1684 (2000)
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[Publications] Obita et al.: "Assignment of ^1H and ^<15>N resonances of mouse lysozyme M"Journal of Biomolecular NMR. 18・4. 361-362 (2000)