2001 Fiscal Year Annual Research Report
エキシマー蛍光誘導体化法による生体ジカルボン酸計測とグルタル酸血症診断への適用
Project/Area Number |
12672101
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山口 政俊 福岡大学, 薬学部, 教授 (50117280)
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Keywords | 血液 / 尿 / ジカルボン酸 / エキシマー蛍光 / 誘導体化 / HPLC |
Research Abstract |
血液や尿中には、グルタル酸やアジピン酸などのジカルボン酸類が極く微量で多種類存在する。これらジカルボン酸類は、先天性代謝異常症であるグルタル酸血症において、その患者の血液や尿中に多量現われるため、増加したジカルボン酸の特定及びその定量を行うことにより、本症の診断が可能になる。しかし、現在まで本症に対する有効な診断法は皆無で、特に小児科領域で本法の開発が切望されている。平成12年度までに、用手法によるジカルボン酸類の計測法を確立した。13年度は、この血液や尿への適用研究を実施するとともに、この自動化とその実用実験を行った。さらに、HPLCに基づく精査診断法も確立した。 (1)自動化と実用 グルタル酸血症のスクリーニングは、できるだけ多数の検体を迅速に処理できることが望まれる。このための自動化を試みた。この自動化は従来の臨床検査用装置を先の蛍光光度計と接続することによって可能になった。小児科からグルタル酸血症患者を含む乳幼児の血液や尿サンプルを多数提供いただき,これらを用いて、本自動装置を診断に実用した。 (2)精査診断 グルタル酸血症は、その発症原因により十数種類に分類される。この発症原因の判別は、血液や尿中で顕著に増加したジカルボン酸の特定により実施される。また、その定量により、病気の進行の度合いを知ることができる。ジカルボン酸類の定性・定量分析のためのプレカラムHPLCエキシマー蛍光検出法を設定した。また、先のマススクリーニングによりグルタル酸血症と診断された患者について、その発症原因を特定するために、HPLC・エキシマー蛍光検出法に基づく精査診断法を確立した。さらに、本症の発症機構や病因究明のための基礎的検討を行った。
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