2001 Fiscal Year Annual Research Report
二次元電気泳動及びLC/MS/MSによる糖タンパク質糖鎖の構造と機能解析法の開発
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12672102
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
川崎 ナナ 国立医薬品食品衛生研究所, 生物薬品部, 室長 (20186167)
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Keywords | キャピラリーLC / MS / キャピラリーLC / MS / MS / HGF / 糖鎖構造 |
Research Abstract |
昨年度は、2次元電気泳動法で分離された微量糖タンパク質の糖鎖の構造を解析することを目的とした、ミクロボアグラファイトカーボンカラムを用いたLC/MSによる糖鎖マッピングの開発を検討し、モデル糖鎖の構造解析に応用できることを示した。本年度は、さらに本分析法の微量化を図るため、キャピラリーLC/MS及びLC/MS/MSによる糖鎖構造解析法の開発を検討した。 まず、糖鎖構造既知のエリスロポエチンの糖鎖をN-グリコシダーゼFで切り出し,NaBH_4で還元して糖アルコールとした.この糖アルコールを内径0.2mmのキャピラリーカラムを用いたLC/MSで分析したところ、ミクロボアLC/MSによる分析に用いたサンプル量の10分の1で、同様な結果が得られることが確認された。 そこで、本分析法を糖鎖構造が未知のマウス骨髄腫細胞NSO株産生組換え型ヒト肝細胞増殖因子(HGF)のN結合糖鎖の解析に応用した.HGF(200ng)から得られた糖アルコールをキャピラリーLC/MSで分析したところ,2本の大きなピークと複数の小さなピークが検出された.これらの糖鎖についてLC/MS/MS分析を行った結果,HGFの主な糖鎖は,非還元末端ガラクトースにガラクトース,及びN-グリコリルノイラミン酸が結合したフコシル複合型3本鎖であることが示唆された. 以上のように,グラファイトカーボンカラムを用いたキャピラリーLC/MS及びLC/MS/MSは,構造未知の微量糖タンパク質の糖鎖を迅速かつ簡便に解析できることが確認された。今後、本分析法を細胞培養液中の微量糖タンパク質糖鎖の構造解析に応用する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kawasaki, N., Haishima, Y., Ohta, M., Itoh, S., Hyuga, M., Hyuga, S., Hayakawa, T.: "Structural analysis of sulfated N-linked oligosaccharides in erythropoietin"Glycobiology. (In press). (2002)
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[Publications] Kawasaki, N., Ohta, M., Itoh, S., Hayakawa, T.: "Analyses of glycoproteins and glycopeptides by liquid chromatography/mass spectrometry, and liquid chromatography/tandem mass spectrometry"Methods Molecular Biology. (In press). (2002)
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[Publications] Kawasaki, N.: "Analysis of interactions between carbohydrates and proteins"Trends Glycosci. Glycotechnol.. 13(supplement). GT-C04E (2001)
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[Publications] Ohta, M., Kawasaki, N., Hyuga, S., Hyuga, S., Hayakawa, T.: "Selective glycopeptide mapping of erythropoietin by on-line high-performance liquid chromatography-electrospray ionization mass spectrometry"J. Chromatogr. A. 910. 1-11 (2001)
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[Publications] 伊藤さつき, 川崎ナナ, 太田美矢子, 日向昌司, 日向須美子, 早川堯夫: "糖鎖含有タンパク質製剤の品質評価試験法に関する研究(III)"衛研報告. 119(印刷中). (2001)