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2001 Fiscal Year Annual Research Report

新しい視点に基づく成人病薬の開発に関する研究

Research Project

Project/Area Number 12672127
Research InstitutionHoshi University

Principal Investigator

高橋 典子  星薬科大学, 薬学部, 助教授 (50277696)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 福井 哲也  星薬科大学, 薬学部, 教授 (90111971)
KeywordsアセトアセチルCoA合成酵素 / ケトン体 / 糖尿病 / 脳 / HMG-CoA還元酵素 / コレステロール / プラバスタチン / コレスチラミン
Research Abstract

ケトン体であるアセト酢酸をアセトアセチルCoAに活性化する酵素であるアセトアセチルCoA(AA-CoA)合成酵素はケトン体利用酵素であり、糖尿病や高脂血症などの脂質代謝異常による疾病と深く関連していると考えられている。しかし、これらの成人病の病態と本酵素の関係については全く明らかにされていない。そこで、我々はケトン体の代謝異常がおこるStreptozotocin(STZ)誘発I型糖尿病時における本酵素の変動及び本酵素に対するコレステロール低下剤(pravastatin and cholestylamin)の影響について調べ、糖尿病時のケトーシスに対する本酵素の役割について検討した。その結果、糖尿病時のラットにおけるAA-CoA合成酵素の活性及び酵素蛋白質量はSTZ投与後急激に減少し、同時にHMG-CoA還元酵素の活性も急激に減少した。またアセチルCoAカルボキシラーゼの活性にも減少傾向がみられた。その際、血中グルコース濃度、血中ケトン体濃度にも急激な上昇が見られたがコレステロール濃度はほとんど変化しなかった。しかしコレステロール低下剤投与によりAA-CoA合成酵素が誘導されるとともに血中ケトン体は正常値に近い値へと回復したが、血中グルコースには変化がみられなかった。以上の結果より糖尿病の初期の段階においてAA-CoA合成酵素がコレステロール低下剤によって誘導されるとケトン体の上昇は抑制されることが分かった。従って本酵素の活性は糖尿病時のケトン体の血中濃度を左右する因子として重要である可能性が示唆された。さらに、前回生体内動態を解析において脳に高発現していることを見出したので、脳のどの部位に多く発現しているのかを検討した。ヒトの脳において、本酵素は延髄、小脳、脊髄よりも大脳皮質に高発現していた。また大脳皮質側頭葉の内側部に位置する海馬に多く発現し、扁桃体、視床には尾状殻、脳梁、黒質よりも高レベルで発現していた。さらに、これらの脳部位の本酵素の発現量はHMG-CoA還元酵素の発現量と連動していた。従って、本酵素はヒトの脳において、記憶機能に重要な役割を果たしている海馬、情動及び動機づけの行動の制御を司る扁桃体に高発現していることから、本酵素がこれらの機能において重要な役割を果たしている可能性が示唆された。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] Sato, H., Takahashi, N.et al.: "Influence of Streptozotocin Diabetes on Acetoacetyl-CoA Synthetase in the Rat"Biochemical Pharmacology. (in press). (2002)

URL: 

Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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