2001 Fiscal Year Annual Research Report
リソゾームシアリダーゼ複合体構成成分の分子間相互作用
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12672130
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Research Institution | Niigata University of Pharmacy and Applied Life Science |
Principal Investigator |
宇田 裕 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (90013937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 隆幸 新潟薬科大学, 薬学部, 助教授 (40110663)
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Keywords | β-ガラクトシダーゼ複合体 / 保護蛋白質 / シアリダーゼ / 分子間相互作用 |
Research Abstract |
高等動物酸性シアリダーゼはβ-ガラクトシダーゼ(β-Gal)やカルボキシペプチダーゼ活性を持つ保護蛋白質などと多機能性複合体を形成している。これら複合体を構成している成分間の相互作用と機能の係わりを明らかにする目的で、β-Galと保護蛋白質による多量体(ヘテロポリマー)形成について検討した。その結果、β-Gal4量体と保護蛋白質とで多量体を再構成することを見出した。しかし、β-Gal単量体と保護蛋白質とでは再構成されず、β-Gal4量体による立体構造が保護蛋白質との結合に重要であることが示唆された。また、その再構成にはβ-Gal活性やカルボキシペプチダーゼ活性は関与しないことが分かった。なお、β-Gal単量体及び4量体と保護蛋白質との相互作用について、分子間相互作用をリアルタイムで測定出来る装置BIACOREを用いた解析を行っている。 一方、棘皮動物イトマキヒトデ卵巣からシリダーゼを精製した(Comp.Biochem.Physiol.,126B,561(2000))ところ、精製標品のN末端アミノ酸配列がカテプシンDと強い相同性を持つことを見出した。シアリダーゼの精製にカテプシンD活性も伴うことから単一物質であることも予測されたが、両活性が等電点電気泳動などで分離することから、単一物質ではなく二つの酵素が何等かの形で強い親和性をもち機能する可能性が示唆された(第74回日本生化学会大会発表)。高等動物と異なる複合体機能が考えられ、強い関心を持っており、現在シアリダーゼとカテプシンDとの相互作用について検討を行っている。 β-Galと保護蛋白質との多量体形成はシアリダーゼの安定化に必須と考えられており、著者らはニワトリ肝臓シアリダーゼにおいても同様の現象が見られることを明らかにした(Comp.Biochem.Physiol.,115B,541(1996))ことから、ニワトリ肝臓から分離したシアリダーゼとβ-Galとの相互作用を解析している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Masao Hiraiwa: "Protective protein in the bovine lysosomal β-galactosidase complex"Biochim. Biophys. Acta. 1341. 189-199 (1997)
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[Publications] Megumi Nagaoka: "Purification and characterization of sialidase from porcine liver"Biol. Pharm. Bull.. 21(7). 682-687 (1998)
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[Publications] Megumi Nagaoka: "Effect of sulfated compounds on acid sialidase"Bio. Pharm. Bull.. 21(11). 1134-1138 (1998)
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[Publications] Bo Xu: "Sea urchin sialidase : Partial purification and characterization"Bull. Marine Biomed. Inst., Sapporo Med. Univ.. 4. 31-36 (1999)
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[Publications] Naoko Iriyama: "Enzymatic properties of sialidase from the ovary of the starfish, Asterina pectinifera"Comp. Biochem. Physiol.. 126B. 561-569 (2000)
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[Publications] 佐藤 陽一: "イトマキヒトデ卵巣シアリダーゼの性質"生化学. 73(8). 827 (2001)