2000 Fiscal Year Annual Research Report
三次元培養皮膚モデルを用いた薬物の皮内動態と傷害性の迅速評価法に関する研究
Project/Area Number |
12672157
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
杉林 堅次 城西大学, 薬学部, 教授 (00105834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 卓也 東洋紡, 敦賀バイオ研, 主席部員
高山 幸三 星薬科大学, 薬学部, 教授 (00130758)
長谷川 哲也 城西大学, 薬学部, 助手 (50245148)
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Keywords | 三次元培養ヒト皮膚モデル / skin permeation / high throughput screening / 経皮吸収促進剤 / skin metabolism |
Research Abstract |
ヒト及びラット摘出皮膚の代替として3次元培養ヒト皮膚モデル(LSE-high)を用い、薬物の皮膚透過性、経皮吸収促進効果、薬物の皮膚代謝性について検討し、以下に示す結果を得た.薬物の透過性:皮膚代謝を受けない種々の薬物のLSE-high透過性はヒトおよびラット皮膚透過性より1オーダ程高かった.これはLSE-highの方がヒト及びラット皮膚よりも10倍程度高い拡散パラメータを示すものの、分配パラメータがLSE-highとヒト及びラットではほぼ同等であるためと考えられた.以上より、LSE-highによりヒト及びラット皮膚透過挙動を約1/10時間で再現できることが明らかとなった.経皮吸収促進剤の評価:二硝酸イソソルビド(ISDN)と一硝酸イソソルビド(ISMN)の皮膚透過性から各種促進剤の皮膚透過改善能を評価した.LSE-high透過性に対する各種促進剤の効果はラット皮膚透過性に対する効果より低かったが、各種促進剤の透過改善率のランクオーダーはほぼ同じであった.また、改善率は共にISDNよりISMNで高かった.これらの結果より、LSE-highにより促進剤のスクリーニングが可能であることが明らかとなった.皮膚代謝性:ニコチン酸エチル(EN)の皮膚ホモジネート代謝実験より得られたVmaxはLSE-highとラット皮膚で同程度であったが、KmはLSE-highの方が1オーダー大きかった.また、皮膚分配と拡散挙動は前述通りであった.したがって、LSE-high透過時の代謝量はラット皮膚に比べて極めて小さいものの、LSE-highによって薬物透過・代謝挙動を十分評価出来ることが示唆された.
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