2001 Fiscal Year Annual Research Report
地域医療現場における効果的な臨床実習プログラム作成の試み
Project/Area Number |
12672192
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
濱崎 圭三 自治医科大学, 医学部, 助手 (90306142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三瀬 順一 自治医科大学, 医学部, 講師 (30291636)
梶井 英治 自治医科大学, 医学部, 教授 (40204391)
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Keywords | 医学教育 / 教育効果 / 臨床実習 / 地域医療 |
Research Abstract |
【目的】平成12年度の地域医療現場での2週間の臨床実習(以下、地域医療実習)効果の評価をもとに、実習担当の臨床講師によるワークショップで推奨された実習プログラムにそって実施された地域医療実習の効果、学生の実習前後の地域医療や将来への思いの変化を明らかにする。 【方法】デザインは自記式アンケート調査(横断研究)である。対象は地域医療実習を履修した医学部5年生104人(男77人、女27人)で、調査項目は、実習施設と内容、実習の感想、実習前後の地域医療や将来への思いである。実習施設と内容以外の項目はVisual Analogue Scale(VAS)を用いた。 【結果】回収率は96%(100人、男76人、女24人)で、実習施設は病院のみ31%、病院と診療所が55%、診療所のみが14%であった。実習内容はすべてが外来および病棟実習以外の地域医療活動を実習し、推奨された9項目(在宅診療・往診、デイサービス・ケア、リハビリテーション、健診活動、予防接種、健康教育・患者教育、巡回診療・出張診療、時間外診療、老健施設・特別養護老人ホーム)中5.9±1.9(平均±SD)項目を実習した。実習の感想のVASスコア(平均±SD)は、実習は楽しかったは80.5±20.0、教員の熱意を感じたは85.9±16.9、教員と接する時間は多かったは85.0±17.2、実習は意義があるは86.8±16.3、実習の継続は必要であるは86.0±20.4で、平成12年度の平均値との比較では、それぞれ4.6、1.0、1.1、9.5、9.3ポイント高かった。実習前の地域医療への思いは、地域で働く医師は楽しそうであるが64.6±19.1、地域医療にやりがいを感じるが72.5±18.5、地域医療を担う自信があるが47.0±24.3、将来への思いは、へき地で働きたいが60.00±23.9、無床診療所で働きたいが55.4±21.1で、すべての項目で実習後のスコアは有意に高かった。病院での実習に比較し病院と診療所では無床診療所で働きたいの実習後のスコアが有意に高く、実習項目が4項目以下に比較し5項目以上で地域医療を担う自信があるの実習後のスコアが有意に高かった。 【考察及びまとめ】病院と診療所の両方で、外来および病棟実習以外に9項目中5項目の地域医療活動を含むプログラムでの地域医療実習は、有効な実習効果をもたらすことが示唆される。
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Research Products
(1 results)