2000 Fiscal Year Annual Research Report
Cre-loxP組換え系を用いた新しいアデノウイルスベクター作製法
Project/Area Number |
12672199
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田代 文 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40136213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 純一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10200156)
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Keywords | アデノウイルスベクター / 作製法 / Cre-loxP |
Research Abstract |
遺伝子機能の解析のため、遺伝子DNAを細胞や組織に導入し発現させる様々な導入法が開発されている。その中でアデノウイルスベクターは、ウイルス粒子が安定で高い導入効率を持ち、また非分裂細胞への導入も可能であり注目されている。しかしゲノムDNAが長いためベクター構築は複雑で、改良の必要がある。そこで特異的な組換え系であるCre-loxPシステムを用い、さらに大きなDNAを扱うことに適しているコスミドを利用することで、簡便に効率よくアデノウイルスベクターを作製する方法を開発した。そしてさらにアデノウイルスベクターの応用範囲を広げることを目的とし、この方法にいくつかの改良を加え、ベクター作製効率を検討した。 1.より大きな発現カセットを挿入できるように、すでに作製済であるE1領域を欠損したアデノウイルスーコスミド(pALC)から、制限酵素を用いてウイルスゲノムDNAのE3領域を約2.4kb欠損させた(pALC3)。これにIL-5-EGFPの発現カセットを組込み、Creレコンビナーゼを発現するプラスミドと同時に293細胞に導入すると、効率よくウイルスベクターが産生されることを確認した。 2.目的の遺伝子DNAを挿入するのみでウイルスベクターが完成するように、あらかじめ発現カセットを組込んだpALCを作製するため、まず発現カセットを作製した。多くの細胞で強力に働くCAGプロモーターにマーカー遺伝子のためのIRESをつなぎ、マーカー遺伝子としてEGFPを組込んだ。さらに、プロモーターとIRESの間に遺伝子DNAを挿入するためのクローニングサイトを作製した。今後、この発現カセットをウイルスベクターに組込む予定である。
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[Publications] Kawamoto,S.: "A novel reporter mouse strain that expresses enhanced green fluorescent protein upon Cremediated recombination"FEBS Letters. 470. 263-268 (2000)
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[Publications] Nitta,Y.: "IL-12 plays a pathologic role in the development of diabetes in NOD mice"J.Autoimmunity. (in press).