2001 Fiscal Year Annual Research Report
薬物の細胞膜透過性調節因子の遺伝子異常と遺伝子発現に関する研究
Project/Area Number |
12672229
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
涌澤 伸哉 北陸大学, 薬学部, 助教授 (30121297)
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Keywords | protein kinase C / MDR3 / human / mRNA / TNFalpha / MAPK / protein kinase A / forskolin |
Research Abstract |
培養Chang肝細胞を用いてMDR3mRNA発現に与えるphorbol 12-myristate 13-acetate(PMA)の影響を検討し、PMAがMDR3発現を時間及び濃度依存的に低下させることを見出した。PMAの作用はprotein kinase C(PKC)の選択的阻害剤で抑えられることから、MDR3mRNA発現はPKCによって低下することを示した。 MDR3 mRNA発現はdoxorubicinによって誘導されることを示した。DoxorubicinによるMDR3mRNA発現誘導は、活性酸素種の消去剤によって拮抗されることから、doxorubicinによって産生される活性酸素によってMDR3発現を誘導させると考えられた。また、この誘導効果は、PMAによって減弱することを見出した。 MDR3mRNA発現はtumor necrosis factor alpha(TNFalpha)の持続的な刺激によっても濃度および時間依存性に低下すること、この低下はmitogen-activated protein kinase (MAPK) kinase阻害剤及びPKC阻害剤で拮抗されることを見出した。さらに、PMAによるMDR3 mRNA発現低下もMAPK kinase阻害剤で拮抗されることを見出した。これらのことから、TNFalphaによるMDR3 mRNA発現低下はPKC、MAPKを介する情報伝達系を介して起こることが示唆された。 MDR3 mRNAはforskolinによって発現低下し、protein kinase A阻害剤で回復されることからprotein kinase AもMDR3 mRNA発現に対して負の調節的に働くことを見出した。
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Research Products
(1 results)