2000 Fiscal Year Annual Research Report
アイソトープを用いない赤血球寿命の測定ならびにその臨床応用
Project/Area Number |
12672245
|
Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
奥宮 敏可 高知医科大学, 医学部, 助手 (50284435)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武本 佳昭 大阪市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (00254409)
西原 利治 高知医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (60145125)
|
Keywords | erythrocyte creatine / erythropoiesis / liver cirrhosis / splenomegaly / hypersplenism / erythropoietin / renal anemia / hemodialysis |
Research Abstract |
1.肝硬変患者における脾機能亢進の評価 肝硬変患者を対象として赤血球内クレアチンを測定し、従来から造血能の指標として利用されてきた網赤血球や超音波による脾臓サイズなどを対比させながら、脾機能亢進の指標としての赤血球内クレアチンの有用性を検討した。赤血球内クレアチンは、網赤血球では検出できないレベルの造血亢進を検出することができ、脾機能亢進にともなう軽微な造血亢進の指標として利用できることが示唆された。また、赤血球数やヘモグロビンと赤血球内クレアチンを組み合わせると、赤血球崩壊に対する骨髄の反応性(代償性)も評価できることが示された。これらのことから、赤血球内クレアチンは肝硬変にともなう脾機能亢進の指標として利用できることが明らかとなった。(現在投稿中) 2.血液透析患者における造血動態およびエリスロポエチン投与効果の解析 安定期維持透析患者を対象に造血動態に対するエリスロポエチンと透析液の効果について検討した。腎性貧血に対するエリスロポエチンの効果は投与量により異なっていた。低投与量(<40unit/kg/week)では赤血球寿命の延長効果を示したが、投与量が増すごとに相対的に造血能の亢進効果が優位となることが示唆された。また、透析液の検討では、透析液中に含まれるエンドトキシンの量が多いほど赤血球寿命が短縮していることが示され、使用するダイアライザーの性能や透析液の水質が透析管理のうえから極めて重要であることが示唆された。(Nephron 86:513-514,2000)
|
Research Products
(1 results)