2000 Fiscal Year Annual Research Report
核酸の新しい超高感度酵素免疫測定法の開発とその応用(HIV感染の早期診断)
Project/Area Number |
12672247
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
橋田 誠一 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (10156268)
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Keywords | 酵素免疫測定法 / 核酸 / HIV-1 / 早期診断 / RT-PCR / RNA / DNA / β-D-ガラクトシダーゼ |
Research Abstract |
申請者らが開発した2点結合(特異結合物質・測定物質)複合体転移測定法を用い、プロウイルスDNAやウイルスRNAの超高感度測定法の開発を目的とした。 1本年度は、まず、HIV-1P24抗原の超高感度測定法とRT-PCR法の検出感度を、Seroconversion panel serumを用い、比較検討した(文献1-4)。その結果、p24抗原とRNAの検出時期は殆ど同時期であった。これは、驚くことであるが、ウイルス粒子中に多量に含まれているp24抗原により、p24抗原の検出が増幅されたものと、推察された。この時のRT-PCR法の検出限界は、400コピー/mlであった。しかし、抗p17IgGやIgMがp24抗原やウイルスRNAの検出時期より早期に検出されたため、この抗p17IgGやIgMの検出時期以前にウイルスRNAの存在が示唆された。しかし、現法のRT-PCR法では、このような早期には、ウイルスRNAを検出することができなかった。 2そこで、RT-PCR後のDNAプローブとのハイブリダイゼイション以降の高感度化を検討した。まず、RT-PCR後、熱やアルカリで一本鎖に変性、ビオチン・DNP標識プローブ、酵素標識プローブと反応させ、3者からなる複合体を形成させ、次いで、抗DNP IgG不溶化固相上にトラップし、洗浄後、複合体を固相より過剰のDNP-リジンにより溶出し、アビジン不溶化固相上に転移させ、最後に、固相上の酵素活性を測定した。 (1)酵素活性を検出感度の高い蛍光法と発光法による検出法の比較を行った結果、蛍光法が現時点では検出感度が高く、β-D-ガラクトシダーゼの検出感度は、0.002amol(1200分子)であった。 (2)β-D-ガラクトシダーゼを標識したDNAプローブを用い、本法を行ったが、検出感度はpmolレベルであった。検出感度は標識物の非特異結合に大きく依存するため、転移法が有効なわけであるが、ハイブリダイゼイションの効率を上げるため、ビオチン・DNP標識プローブや酵素標識プローブの濃度を増やすと、上記の転移法を用いても非特異結合を十分下げることができなかった。 (3)13年度は、非特異結合を完全に除去するために、転移を1回でなく2回行い、さらに、非特異結合を格段に下げ、高感度化を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hashinaka,Kazuya: "Preparations of recombinant HIV-1 p66 antigen to improve the specificity of immune complex transfer enzyme immunoassay of antibody IgG to HIV-1 reverse transcriptase."Journal of Clinical Laboratory Analysis. 14. 169-179 (2000)
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[Publications] Ishikawa,Setsuko: "Ultrasensitive enzyme immunoassay of antibody IgG to HIV-1 reverse transcriptase by immune complex transfer with detergents."Analytical.Letters. 33. 2183-2196 (2000)
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[Publications] Hashida,Seiichi: "Earlier detection of human immunodeficiency virus type 1 p24 antigen and immunoglobulin G and M antibodies to p17 antigen in seroconversion serum panels by immune complex transfer enzyme immunoassays"Clinical and Diagnostic Laboratory Immunology. 7. 872-881 (2000)
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[Publications] Hashinaka,Kazuya: "Recombinant p51 as antigen in an immune complex transfer enzyme immunoassay of immunoglobulin G antibody to human immunodeficiency virus type1."Clinical and Diagnostic Laboratory Immunology. 7. 967-976 (2000)