2001 Fiscal Year Annual Research Report
要介護者における口腔ケアの効果,特に嚥下性肺炎予防に対する効果に関する研究
Project/Area Number |
12672275
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
道重 文子 徳島大学, 医学部, 助教授 (00274267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 敬志 徳島大学, 歯学部, 教授 (30173800)
吉永 純子 徳島大学, 医学部, 助教授 (30227425)
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Keywords | 口腔細菌 / 嚥下性肺炎 / 歯科的疾患 / 生体防御 / 口腔ケア |
Research Abstract |
脳血管障害者や重度心身障害児(者)を対象に,継続して口腔ケアを実施することが嚥下性肺炎の予防や改善にどの程度効果的であるかを検索しながら,嚥下性肺炎の予防や改善に有効な口腔ケアの方法を開発することが本研究の目的である。本年度は以下の研究をおこなった。 1.口腔ケアの質改善による看護成果と課題 口腔ケアの質の改善によるケアの効果を調査し,看護成果と今後の課題を明らかにすることを目的とした。重度心身障害者病棟に入院中の重度心身障害者で嚥下障害等により口腔ケアが困難でブラッシング法を改善した31名を対象とした。口腔状態,発熱日数,注射/点滴回数,医療費,生活の質等について改善前後3年間の経過を調査し比較検討を行なった。改善後,口腔清掃状態は良好となり,歯肉炎,歯肉出血,口臭はなくなったが,歯石の付着は除去できなかった。歯肉出血や口臭の消失は家族に喜ばれた。経管栄養群と経口摂取群の3年間の比較では,両群とも,発熱日数,点滴回数,5%割り引き医療費では減少傾向を示し,増加を抑制できた。本結果から,予防処置が受けられるネットワーク作りの必要性が示唆された。 2.経管栄養患者に対する就寝前のスポンジブラシによる口腔清拭の効果に関する研究 重度心身障害者病棟に入院中の重度心身障害者で臓下障害により経管栄養中の患者15名を対象とした。従来1日1回の給吸ブラシによるブラッシングを行なっていたが,さらに就寝前に20倍イソジンガーグルを用いてスポンジブラシによる口腔清拭を行ない,口腔内細菌数の変動を,ケア改善前,1週間後,2週間後,3週間後,1ヶ月後,3ヶ月後,6ヶ月後に測定した。細菌数では,スポンジブラシによる口腔清拭の効果は得られなかった。1日1回十分ブラッシングを行なっておれば,就寝前のケアは影響しないことが示唆された。
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