2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12672309
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
小倉 朗子 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 主事研究員 (60321882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 佐和子 東京都立保健科学大学, 保健科学部看護学科, 教授 (30186142)
小西 かおる (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (60332376)
松下 祥子 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (30291941)
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Keywords | 重症療養者 / 介護保険 / ケアニーズ / 在宅ケア / 査定基準 / 難病 / サービス |
Research Abstract |
1.国内外の文献収集 介護保険制度導入前後のケアニーズに関する研究はいくつかみられており、(1)サービスの不足(サービス枠・供給量・質の不足など)、(2)経済的問題(利用者の経済力による利用抑制など)、(3)利用者・家族の認識不足(介護保険制度・サービス利用に対する認識不足など)が共通してみられる課題であった。しかし、特定の地域全体で行われた調査では要介護度が低い対象者がほとんどであり、重症療養者のケアニーズの特徴は明確ではなかった。重症療養者の保健・医療・福祉サービスのニーズ構造を明らかにし,ニーズ査定の基準を開発するためには、重症療養者に対する調査が不可欠であると考えた。 2.事例調査 難病在宅療養者における介護保険制度導入前後のニーズ調査から、保健・医療・福祉サービスのニーズ構造を明らかにすることを目的に、東京都多摩地区12保健所で把握している難病在宅療養者262人について調査を行った。介護保険制度導入前(平成12年3月)と導入後(平成12年10月)の2時点で、基本属性、疾患の状態、サービス利用状況について調査を行い、対象者262人を介護度別に層別化し、各介護度の対象者の特長とサービス構造について検討した。 その結果、介護度V(n=111)が全体の42.4%を占めており、難病在宅療養者の介護依存度が非常に高いことが明らかにされた。また、呼吸・嚥下障害等の障害を有するものは、すべての介護度において60.0%を超えており、医療依存度もきわめて高いことがわかった。さらに、介護度Vにおける訪問看護をみると、介護保険では15.3%しか受けられていないが、保健所が45.9%、医療機器貸与事業に係る訪問看護が63.0%と高い割合を占めており、医療保険では不十分なケアを保健所が担っていることが明らかにされた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 江澤和江: "在宅人工呼吸療養者の療養実態と保健・医療・福祉サービス利用状況"東京都衛生局学会誌. 103. 38-39 (2000)
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[Publications] 江澤和江: "在宅神経難病療養者の状態別ニーズ査定とサービス量判定のモデル作成に関する研究"日本難病看護学会誌. 5(1). 38 (2000)
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[Publications] 小西かおる: "脳血管障害患者における障害によるストレスの認知的評価に関する研究-ADL・認知能力によるストレスの認知的評価とコーピング行動の特徴-"日本在宅ケア学会誌. 4(2). 110-111 (2001)
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[Publications] 小西かおる: "難病在宅療養者における介護保険制度導入後の保健・医療・福祉サービスのニーズ構造"難病在宅療養者の介護保険制度導入前後のニーズ実態調査報告書. (2001)
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[Publications] 小西かおる: "難病在宅療養者における介護保険制度導入前後のニーズ調査からみた保健所保健婦の役割"日本地域看護学会 第4回学術集会. (発表予定). (2001)