入院高齢者の転倒予測に関するアセスメントツールの評価

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12672319
• Research Institution: Kanazawa University
• Principal Investigator: 泉 キヨ子 金沢大学, 医学部, 教授 (20115207)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 加藤 真由美 金沢大学, 医学部, 助手 (20293350) ; 川島 和代 金沢大学, 医学部, 助教授 (40157855) ; 牧本 清子 大阪大学, 医学部, 教授 (80262559) ; 細川 淳子 金沢大学, 医学部, 助手 (70324085)
• Keywords: 入院高齢者 / 転倒 / アセスメントツール / 評価

Research Abstract

【目的】本研究は、入院高齢者の転倒を予測するためにアセスメントツールを開発し、その評価研究を目的とした2年にわたるものである。今年度は開発したアセスメントツールを改訂し、2つの施設で使用し、有効性について検討した。
【方法】1)対象:2つの病院に入院中の65歳以上の高齢者440名である。2)測定用具:ツールの項目は(1)転倒経験、日常生活に支障をきたす(2)視力障害、(3)知的活動、(4)排泄介助、(5)移動能力レベル(6)看護者の直感の6項目である。項目に0.5-4.0点の範囲で重みづけをした。合計点は0-8.5点の範囲である。3)調査方法:対象の入院および転棟(含む転室)時に研究に同意を得た看護者にツールの記載を依頼し、期間中に対象者が転倒した場合は転倒調査表に記載してもらった。4)調査期間は2000年10月1日から12月31日である。
【結果および考察】1.対象の概要は男性170名、女性270名であり、平均年齢は81.4±7.2歳であった。主な疾患は脳血管疾患、骨関節疾患の順に多かった。期間中の転倒者は28名であり、転倒なしは412名であった。転倒後の損傷は44%にみられ、内訳は打撲、切傷・擦過傷、骨折の順であった。骨折は4名であった。病院間の違いではA病院の転倒率は19.8%であり、B病院は2.4%と有意差がみられたが、どちらも前年の調査より減少していた。2.改訂されたアセスメントツールの平均点は転倒者が5.5±2.3点であり、非転倒者は3.0±2.5点であった。
今後はこれらの結果を踏まえて、さらに分析を深めたい。

Research Products

• [Publications] 泉キヨ子: "転倒防止に関する研究の動向と今後の課題"看護研究. 33(1). 11-19 (2000)
• [Publications] 加藤真由美,泉キヨ子 他: "入院高齢者の前向き調査による転倒の要因"金沢大学医学部保健学科紀要. 24(1). 127-134 (2000)
• [Publications] Kiyoko Izumi, et al: "Follow up study of Ultrasound Bone Densitometry and Postural Sway for predictive Factors of Falls in the Elderly"金沢大学医学部保健学科紀要. 24(2)(印刷中).
• [Publications] 加藤真由美,泉キヨ子 他: "入院高齢者の転倒予測に関するアセスメントツールの開発-10施設における前向き研究-"日本看護研究会雑誌. 23(3). 221 (2000)
• [Publications] 泉キヨ子,加藤真由美 他: "入院高齢者の転倒予測に関するアセスメントツールの開発-3施設の比較-"日本老年看護学会第5回学術集会抄録集. 107 (2000)
• [Publications] 泉キヨ子,加藤真由美 他: "入院高齢者の転倒予測に関するアセスメントツールの開発(第2報)"第20回日本看護科学学会講演集. 154 (2000)