2001 Fiscal Year Annual Research Report
障害児の家族のストレスを緩和する養育支援のための看護システムの開発
Project/Area Number |
12672321
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
奈良間 美保 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (40207923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 妙子 浜松医科大学, 医学部, 講師 (40303557)
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Keywords | 在宅療養 / 包括的養育支援 / 小児 / 家族 / 看護相談 / 障害 / 二分脊椎症 |
Research Abstract |
1.外来における小児と家族の効果的な養育支援の検討と調査結果の報告 前年度、外来における養育支援の実態を把握するために、病床数300床以上の小児科を有する一般病院および小児専門病院の小児科外来を担当する看護師長を対象に質問紙調査を行った結果、最終的に512の有効回答(回収率:54.6%)が得られた。今年度は、養育支援の特徴、及び看護体制と養育支援との関係についてさらに分析を進めた。対象病院に通院中の小児が家庭で行う医療処置の内容は多様で、吸入実施患児は95.3%の病院に認められ、同様に薬剤注射は76.8%、経管栄養63.1%などであった。医療処置を要する小児と家族に対して、健康状態の観察、医療処置、育児に関する相談を行っている病院は8割以上を占め、家族の健康や社会資源の相談も4割以上の病院で行っていた。これらの看護相談は、小児科外来に専任の看護師が配置されている病院で実施率がより高く、看護体制と看護内容との間に有意な関係性を認めた。多くの看護師は、人員や専門的知識の不足のために家族の支援が十分できないと感じていたことから、外来における養育支援の方策を早急に検討する必要性が裏付けられた。養育支援の充実のためには、小児科外来に専任の看護師を配置するなどの看護体制の整備とともに、外来看護師に対する研修会や支援マニュアルの作成などの必要性が示唆された。これらの結果を学会で報告すると共に、調査報告の依頼があった383施設に対して結果の概要を郵送し、一部の病院より結果に対する意見を収集した。 2.障害児と家族に対する養育支援の実施と評価 前年度に米国の2施設を訪問し、二分脊椎症専門外来に関する資料を得た。今年度は、その結果を参考に、静岡県内の小児専門病院の外来看護師と共に二分脊椎症児とその家族に対する看護相談の指針を検討した。発達段階ごとの看護目標と支援方法、評価方法を考案し、実際に就学期にある患児とその家族を対象に看護相談を実施した。
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