2002 Fiscal Year Annual Research Report
地域精神保健の推進―在宅精神障害者に対する訪問看護の研究―
Project/Area Number |
12672323
|
Research Institution | KOBE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
川口 優子 神戸大学, 医学部, 助教授 (90152941)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 智津子 神戸大学, 医学部, 助手 (80335455)
西本 美和 神戸大学, 医学部, 助手 (20314495)
松田 宣子 神戸大学, 医学部, 助教授 (10157323)
奥田 博子 神戸大学, 医学部, 助手 (50294236)
|
Keywords | 在宅精神障害者 / 地域精神保健福祉活動 / 生活支援 / 訪問看護師 / 保健所看護師 / かかわり / 連携 / 質的研究 |
Research Abstract |
平成14年度研究実績の概要 14年度は、3年間にわたる研究の最終年となった。データ収集を終了し分析して、論文にまとめ、3編を看護系の学会で発表した。研究内容は2つある。一つは保健所保健師による在宅の精神障害者に対する援助の実践であり、もう一つは医療機関に附属する訪問看護師による訪問看護の実際であった。 保健所保健師5名を対象とし、地域に住む精神障害者に対する保健師の援助を明らかにする目的で、半構成的面接によりデータを収集した。データを分析した結果保健師の援助方法として、1.治療的働きかけ、2.生活支援活動、3.調整ネットワーク機能を抽出した。そして保健師による援助の特性は、常にケースの将来や目標を設定している、多面的な効果を考える、専門的力量と権利擁護の両面から支援する、実践結果から評価を考えている、本人による自己決定を援助姿勢としていることが明らかとなった。 在宅精神障害者に対する訪問看護については、訪問の場で看護師はどのような援助を実践しているのかを明らかにすることを目的とした。訪問看護師4名、在宅の統合失調症の方5名を対象とし、各訪問に同行し参加観察によるデータを収集した。10回にわたる訪問のデータを収集し分析した結果、大きく3つの援助内容を抽出した。それは1.現在の生活の維持・向上、2他機関との連携、3.治療・看護の継続であった。また8つの実践的援助及び8つの看護師のかかわりを抽出した。そして訪問看護師の精神面・身体面に対するアセスメント力量、実践的援助及び当事者のエンパワーメントを引き出すかかわり等が、地域で生活を継続していく当事者の力となっていると考察した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 西本美和, 三木智津子, 川口優子: "精神科訪問看護における実践-訪問看護2事例の援助内容-(第1報)"第12回日本精神保健看護学会学術集会抄録集. 88-89 (2002)
-
[Publications] 川口優子, 松田宣子, 奥田博子: "在宅精神障害者への生活支援-訪問看護師の援助に関する研究-"第22回日本看護科学学会学術集講演集. 474 (2002)
-
[Publications] 松田宣子, 奥田博子, 川口優子: "保健所保健師による地域精神障害者支援方法に関する研究"第22回日本看護科学学会学術集講演集. 218 (2002)