2001 Fiscal Year Annual Research Report
身体疾患を合併した高齢精神障害者ケアにおけるモニタリング機能に関する研究
Project/Area Number |
12672333
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
中山 洋子 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (60180444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 るみ子 福島県立医科大学, 看護学部, 助手 (80315671)
大川 貴子 福島県立医科大学, 看護学部, 講師 (20254485)
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Keywords | 高齢精神障害者 / 身体合併症 / 実態調査 |
Research Abstract |
本研究は、精神科合併症病棟、内科病棟、痴呆性疾患病棟を除く精神科病棟のなかで身体的疾患を併せもつ患者の実態を把握するために、1)病棟の入院患者数とその性別・年齢、診断名、2)抗精神病薬を服用しはじめてからおおむね20年以上経過している患者数、3)抗精神病薬を20年以上服用している患者のなかで、(a)精神科以外の疾患をもち、現在他科受診をしている患者、(b)過去1年間に身体的疾患に関して看護師が「大変だった」という思いをもっている患者、の質問項目からなる調査票を作成し、福島県内の7病院、25精神科病棟で実態調査を実施した。 現在、調査票を回収し、分析を行なっている7病棟の結果をまとめると、7病棟、390床のうち、抗精神病薬を服用しはじめてからおおむね20年以上経過している患者は245人(62.8%)であった。245人のうち、身体合併症をもち他科受診をしている患者は52人(21.2%)であった。最も多い疾患は内科疾患で24人、なかでも糖尿病が16人であった。次いで皮膚疾患が18人、整形外科関連の疾患9人であった。身体疾患に関して看護師が「大変であった」と思っている事例として、11ケースが上げられた。そのなかには、精神疾患のために心疾患や糖尿病の病識がなく、食事のコントロールができなかったり、診療拒否をするケースが含まれていた。 今後は、残り18病棟の分析を行なうとともに、困難ケースについて、そのケアにあたった看護師を対象にインタビューを行ない、身体的な問題把握やモニタリングの方法等を抽出して看護師のモニタリング機能について検討する予定である。
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