2000 Fiscal Year Annual Research Report
術後患者における背部蒸しタオル温罨法の気分、疲労、活動量、自律神経活動への影響
Project/Area Number |
12672335
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
縄 秀志 長野県看護大学, 看護学部, 助教授 (90254482)
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Keywords | 術後患者 / 背部温罨法 / 気分 / 疲労 / 活動量 / 自律神経活動 |
Research Abstract |
本研究は婦人科外科患者を対象に、手術前と術後6〜7日目、退院後2週間〜3週間目(術後21〜30日目)の気分と疲労感、活動量および自律神経活動の経時的変化を明らかにし、更に、安静臥床と背部蒸しタオル温罨法ケアによる自律神経活動を比較することを目的とした。子宮筋腫切除術を受ける目的で入院し、研究協力が得られた6名(平均年齢45.33,SD7.50)を対象とした。測定用具は、日本版POMS(気分)、自覚症状しらべ(疲労感)、加速度計測装置付歩数計ライフコーダー(活動動)を用いた。自律神経活動は、最大エントロピー法による心拍変動の周波数解析により低周波数成分(LF)、高周波成分(HF)、全周波数成分(TP)を求め、交感神経活動の指標としてLF/HF、副交感神経活動の指標としてHF/TPを用いた。 気分の変化は、緊張-不安、抑うつ-落ち込みは術前に比し術後6〜7日目に有意に低下した。疲労、混乱は術前に比し術後21〜30日目に有意に低下した。疲労感は術前、術後6〜7日目に比し術後21〜30日目に軽減する傾向が見られた。活動量は、退院後1週間目までに増加し、以後増減を繰り返す傾向が見られ、消費カロリーは退院後1週間目と2週間目で有意な増加が見られた。LF/HFは術前に比し術後6〜7日目には上昇し術後21〜30日目に低下し、HF/TPはLF/HFと拮抗した変化が見られたが、有意差は得られなかった。 4名に安静臥床、2名に背部ケアを行った。安静臥床による変化は、HF/TPが高値を示した事例では術前、術後6〜7日目、21〜30日目いずれも自律神経活動の変化は小さく、HF/TPが低値の事例では術後6〜7日目、術後21〜30日目にHF/TPが低下しLH/HFが増加する可能性があり、背部ケアによる変化は、術後6〜7日目、術後21〜30日目に大きく見られ、HF/TPが増加することによりLH/HFが低下する可能性があると思われた。
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