2000 Fiscal Year Annual Research Report
認知障害のある高齢者の意思に対する看護者の認識過程
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12672348
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
坂口 千鶴 日本赤十字看護大学, 看護学部・看護学科, 助教授 (60248862)
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Keywords | 認知障害 / 高齢者 / 意思 / 看護者 / 認識過程 |
Research Abstract |
都内の総合病院に入院している認知障害のある高齢患者とその高齢患者に関わった看護者を対象に、認知障害のある高齢者の意思に対する看護者の認識過程を明らかにするために、高齢患者の日常生活援助への参加観察、高齢患者と看護者に対して随時に行う非構成的面接、看護者への半構成的面接を約2ヶ月間行った。 現在、認知障害のある高齢患者6名とその高齢者に関わった看護者12名からのデータ収集を行ったところである。高齢患者6名のうち、男性は2名、女性は4名で、平均年齢は76.5歳であった。高齢患者の入院理由は脳梗塞、脳出血、肺炎、糖尿病、大腿骨骨折、発熱等と様々であったが、すべて対象者に脳梗塞、脳出血、パーキンソン等の脳の器質性疾患があった。日常生活動作能力については、軽度から重度の者までいたが(N式老年者用日常生活動作能力評価尺度)、認知障害の程度については中等度から重度の者が多く(N式老年者用精神状態尺度)、離棟による事故の可能性、昼夜逆転傾向が見られた。看護者は全員女性で、臨床経験は1年から10年以上と幅広く、平均年齢26.8歳であった。学歴は専門学佼、短期大学が多くを占めていた。 認知障害のある高齢者の意思に対する看護者の認識過程については、高齢患者1名について、週2〜3回、1回30〜60分程度の参加観察、20分程度の非構成的面接を1ヶ月間行ってデータ収集をし、看護者に対しては、日常生活援助での参加観察と観察直後の5分程度の非構成的面接、数日後20分程度の半構成的面接を行った。現在データを分析している段階であり、研究結果を出すまでには至っていない。 来年度については、医療施設を変えてデータ収集と分析を継続し、10月までには研究結果をまとめ、結果の確認を含めた看護者への2回目の半構成的面接を踏まえて、報告書としてまとめていく予定である。
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