2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680006
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
三宅 宏司 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70124782)
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Keywords | 近代産業技術史 / 陸軍砲兵工廠 / 東京砲兵工廠 / 小倉工廠 / 名古屋工廠 / 相模工廠 / 大阪工廠 / 機械工業 |
Research Abstract |
産業技術史研究における陸軍工廠、特に平成12〜13年度は東京砲兵工廠に関係した資料の発掘ならびに遺物・遺跡の調査、聞き取り調査等を遂行した。 1.文献資料を中心とする調査研究においては、国立国会図書館、国立公文書館、防衛研究所図書館、公立図書館および個人所蔵の東京砲兵工廠のこれまで知られていない資料を発見できた。陸軍工廠の鉄鋼・機械・金属加工技術と国内産業の技術との対応関係を示す新しい資料も関係者の協力で得られることができた。 2.東京砲兵工廠と昭和初期にその主力工場の移転先となった小倉砲兵工廠の写真・図面資料を入手できた。東京砲兵工廠に関しては板橋、王子、瀧ノ川、目黒、岩鼻、宇治、忠海の各製造所跡地の現地調査と往時の資料(特に建物配置図面)との対応関係をほぼ知り得、建築物等の残存・保存状況も概略において確認できた。 3.東京、小倉砲兵工廠勤務の旧軍人・軍属・職工の方々からの聞き取りによって、工廠内の技術、労働、勤務、衛生、通勤、待遇、技能研修などに関する資料提供を得ることができ、詳細な知見が得られた。 4.1〜3で得られた諸資料・知見等については、今後の補充調査研究を続行するとともに研究発表、論文発表等を行い、批判をあおぐとともに研究を深めていく予定である。 5.今後の調査研究においては、砲兵工廠のみに限定せず、ひろく近代産業技術史研究の中への位置付けや戦後日本の産業技術に波及した影響や効果などにも目を向ける必要があり、多くの研究者を組織することで達成できるものと考える。そのための準備として、平成13年度から関西地方を中心に研究者を糾合し、数カ年にわたる組織研究を計画中である。
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Research Products
(2 results)