2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680035
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宮田 浩文 山口大学, 農学部, 助教授 (90190793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 直己 山口大学, 農学部, 助教授 (20210982)
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Keywords | ラット / 横隔膜 / 運動ニューロン / 加齢変化 |
Research Abstract |
ラット横隔膜を神経支配する運動ニューロン(Phrenic MN)には、常時活動しているrecruitedニューロン(R-MN)と吸息局面に同期した脱分極を示すだけで活動電位は発していないnon-recruited(NR-MN)ニューロンがある。後者のニューロンは呼吸が亢進した時(運動、低圧下など)に追加動員されるタイプであると考えられる。 本年度は、Young群(3〜4ヶ月令)のラット15匹を対象にして、それぞれのタイプのニューロンを区別し、電気生理学的膜特性(基電流など)、形態的特性(細胞体サイズ)を明らかにした。さらに横隔膜の収縮、形態特性を測定した。 1)Phrenic MNの電気生理学的特性については、記録されたMNはR-MNが13個(32%)、NR-MNが31個(68%)であり、その平均基電流はR-Mnが3.8±1.4nA、NR-MNが6.6±3.2nAであった。NR-MNは明らかに高い基電流を示し、Fastタイプの運動ニューロンである可能性が示された。 2)Phrenic MNの細胞体サイズは、1峰性(平均923±235μm2)であり、500μm2以下のMNは稀で、ガンマーMNがほとんどないことが示唆された。 3)横隔膜の収縮特性(in vitro,25℃)は、単位断面積張力は6.0±1.4N/cm2であり、収縮時間は89±34ms、1/2弛緩時間は107±21msであった。 4)横隔膜の筋線維組成は、FG線維9.9±5.09%、FOG線維55.6±9.9%、SO線維35.0±5.09%でり、SO線維比率は、R-MNの比率と非常に近い値を示した。 これらの値は、これまで報告されているそれぞれの値とほぼ同等の値であった。13、14年度には上記の測定をold群(1年〜1年2ヶ月令)、very old群(2年齢)についてそれぞれ行うため、現在約30匹のラットを飼育中である。
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