2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680036
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
荒木 秀夫 徳島大学, 総合科学部, 教授 (90151159)
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Keywords | 随意運動 / 体性感覚誘発電位 / gating |
Research Abstract |
平成13年度においては、随意運動に伴って生じる体性感覚誘発電位の各成分の変動が、筋放電の発現と経時的にどのような対応を示すのかを正中混合神経と皮膚神経刺激から検討した。検討としては、体性感覚誘発電位の早期成分を中心に2種類の刺激に伴う電位にどのような差が見られるのかを明らかにしようとしたものであった。その結果、両刺激による電位のうち、N20成分は正中混合神経刺激において随意運動の発現に先行する時点から抑制の傾向が見られたのに対して、N18は、両刺激による差は必ずしも明確ではなかった。またN20成分における振幅の変動は、正中混合神経刺激の場合、N18とは異なった時間経過を示し、その最大の特徴としては、動作前500msecから振幅の回復または振幅の増大を示し、動作時点で再び抑制の傾向が認められるという結果が得られた。一方でN18は振幅が抑制されるというgatingの効果が、N20と比較して明確には認められず、動作の発現の直前においても、その傾向に差は見られなかった。このことから皮膚神経刺激による体性感覚入力系は、筋感覚入力系とは独立した要因として随意動作の発現に関与していることが推察された。 また体性感覚誘発電位の発生源を推定するダイポールの計算については、動作中に体性感覚誘発電位のダイポラリティが変化することが示された。この傾向は、いずれの刺激方法によっても同様な結果であり、ダイポラリティは動作中に低下したという結果から、動作中の体性感覚誘発電位の発生機構は安静時のものとは異なることが推察された。
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Research Products
(1 results)