2002 Fiscal Year Annual Research Report
看護職従事者に必要とされる体力要素及び水準の評価を目指した基礎的調査研究
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12680047
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Research Institution | Mie Prefectural College Of Nursing |
Principal Investigator |
澤井 史穂 三重県立看護大学, 看護学部, 助教授 (10245631)
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Keywords | 看護職 / 看護実習 / 体格 / 体力要素 / 体力水準 / 身体的負担度 |
Research Abstract |
本研究の目的は、看護大学生の体格・体力を運動実施状況との関連を踏まえて追跡調査するとともに、看護実習中の身体的負担度と体格・体力との関連を検討することにより、看護職従事者として備えておくべき体力要素とその水準を明らかにしていくための基礎資料を得ることである。本年度は、平成13年秋から平成14年春にかけての看護実習期間(およそ50日)を経た本学在学生女子46名を対象に、過去2年間と同様の方法で身体の構造(体格、身体組成、骨強度)と機能(脚伸展パワー、有酸素性パワー、握力、背筋力、垂直跳び、長座体前屈)の測定評価を行うと同時に、看護実習期間における生活習慣、体調や身体的負担度(倦怠感、疲労感、痛みや異常を来す病的症状などの程度)及び体力に対する自己評価などについての質問紙調査を行った。その結果、実習中の自覚症状を聞く51項目で「いつも」あったと応えた項目数と体重・BMIとの間に有意な正相関(それぞれr=0.34, 0.37, p<0.05)が認められた。また、実習中、疲れる原因であると思う項目数(26項目中)と実習中の自覚症状の合計点との間にも有意な相関がみられた。しかし、本年度の対象者においては、いずれの体力測定項目も実習期間中の疲労感や自覚症状の程度を表すスコアと明らかな関連性を示さなかった。但し、対象者全員が、看護実習を行っていく上で体力は「非常に」ないし「どちらかといえば」必要だと思っており、特に必要な体力要素を3つまで選ぶ質問項目においては、全員が全身持久力を選んでいた。次いで多かったのは腕力と脚力であり、この結果は過去2年間の調査と一致していた。 本年度を以て研究期間が終了したので、3学年分の測定・調査結果を総合した分析結果と学年ごとの傾向の違いについて、研究成果報告書としてまとめた。
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