2002 Fiscal Year Annual Research Report
両側体肢同時動作時に見られる機能低下現象に及ぼすトレーニング効果の生理学的機構
Project/Area Number |
12680049
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Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
谷口 有子 国際武道大学, 体育学部, 教授 (80217140)
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Keywords | bilateral deficit / lateral specificity / leg extension power |
Research Abstract |
レジスタンス・トレーニングが両側性機能低下に及ぼす影響については、両側性のトレーニングを行うと両側性に発揮した筋力が一側性に発揮した筋力よりも顕著に増加し、一側性のトレーニングを行うと一側性に発揮した筋力が両側性に発揮した筋力よりも顕著に増加する。すなわち、両側性機能低下の程度は、両側性トレーニングによって小さくなり、一側性トレーニングによって大きくなるというlateral specificityが見られる(Hakkinen, et al.,1996;谷口,1994,1995,1997;Taniguchi,1997)。ただし、これは一側性トレーニングを左右両肢について実施した場合であり、左右のどちらか一肢のみのトレーニングが両側性機能低下に及ぼす影響については、明らかにされていない。そこで、体育大学男子学生41名を一側右脚群、一側左脚群、一側左右脚群、両側群、コントロール群に分け、等速性脚伸展パワートレーニングを120cm/sの速度で週3日、6週間行わせ、両側性機能低下の割合(BI)の変化を調べた。トレーニング開始前には5群のBI間に有意差はなかったが、トレーニングによって一側右脚群、一側左脚群、一側左右脚群はBIが負の方向にシフトし、正の方向にシフトした両側群のBIとの間に有意差(P<0.05)が認められた。したがって、一肢のみの場合も左右両肢について実施した一側性トレーニングと同様の影響を持つことが明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Taniguchi, Y.: "Reaction times modified by interlimb coordination"In Proceedings of 7^<th> Annual Congress of the European College of Sport Science (Eds. Koskolou, M., Geladas, N., and Klissouras, V.), Pashalidis Medical Publisher, Athens, Greece. Volume1. 380 (2002)
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[Publications] 谷口有子, 川津茂生, 山本利春他: "動作の素早さに関する研究 〜素早さのメカニズムとトレーニング効果について〜(第2報)"武道・スポーツ科学研究所年報. 第7号. 35-51 (2002)
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[Publications] 谷口有子, 川津茂生, 山本利春他: "動作の素早さに関する研究 〜素早さのメカニズムとトレーニング効果について〜(第3報)"武道・スポーツ科学研究所年報. 第8号(印刷中). (2003)
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[Publications] 矢部京之助, 大築立志, 笠井達哉編: "入門 運動神経生理学-ヒトの運動の巧みさを探る-"(有)市村出版(印刷中). (2003)