2000 Fiscal Year Annual Research Report
メソサイクル長期運動習慣が瞬時心拍回復率に及ぼす影響
Project/Area Number |
12680053
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
室 増男 東邦大学, 医学部, 教授 (80112887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 法子 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (40057378)
只野 ちがや 東邦大学, 医学部, 助手 (40261094)
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Keywords | 心臓副交感神経再興奮 / 回復心拍数 / RRI / 軽運動 |
Research Abstract |
本研究は、週1〜2回の有酸素運動を長期間継続(メソサイクル長期運動習慣)している人に対する運動終了直後の心臓副交感神経再興奮能力について検討した。主な対象は多摩川河川敷を利用した運動実施者に対して、運動実施内容、運動のきっかけ・意欲、生涯を通じて健康づくり設計などのアンケート調査を実施した。さらに被験者30人(21歳〜79歳)に対して、1.6kmテストをジョギングまたはウォーキングのいずれか実施し、直ちに椅座位姿勢をとらせ回復RRIを測定した。そして運動停止直後30秒間の回復心拍RR間隔(RRI)から減衰時定数(回復心拍減衰時定数、HR_<TC>)を求め、心臓副交感神経再興奮機能を評価した。同時に回復時の血圧と血中乳酸を測定した。その結果、安静時の生理学的パラメーター(HR、血圧、乳酸など)は、若年者群と中高年者群間で有意な差は認められなかった。運動終了後の乳酸も被験者群間でほぼ同値であった。しかし回復心拍減衰時定数(HR_<TC>)は若年者群(137±33sec)の方が中高年者群(158.4±81sec)より大きな値を示した。中高年者の心疾患患者群においてHR_<TC>は190±11.6secと顕著に大きな値を示した。非運動習慣のNIDDM患者におけるHR_<TC>は284.4±39.6secと運動習慣のある心疾患患者群に比べて顕著に大きかった。それらのことからメソサイクル長期運動習慣は軽運動強度であっても心臓副交感神経再興奮機能の維持に有効でなることが示唆される。一方、中高年者群の健康づくりに対する内在的意識の高さがアンケート調査結果から示されたが、運動を実践するだけで直ちに健康づくりが達成される意識的結合も存在していた。以上の結果からメソサイクル長期運動習慣とその意識的要素の有機的結合は健康づくりに重要であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)