2000 Fiscal Year Annual Research Report
東京都心部における低未利用地の動向と有効利用の方向性に関する研究
Project/Area Number |
12680078
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
山下 宗利 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (40202379)
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Keywords | 東京都心部 / 低未利用地 / コイン式駐車場 / 空地 / 土地所有 |
Research Abstract |
1.目的 都市空間が抱える課題を検討するための分析として、東京都心部における低未利用地の動向を明らかにすることである。 2.方法 本研究では都心部の空地の中でコイン式駐車場などに一時的にその姿を変えた低未利用地に着目する。本研究では低未利用地として、コイン式駐車場、材料(資材)置場、廃屋、そして空地の4種類の用途(第1図)を取り上げた。1987年当時の低未利用地データと、2000年に新たに収集されたデータとを比較検討し、さらに当該低未利用地について、東京法務局の登記事項証明書(不動産登記簿)データにより土地所有者の変遷を追及し、その発生要因を分析した。事例地域として、東京駅から隅田川に至る地域を対象とした。 3.結果 コイン式駐車場事例地域には計8つのコイン式駐車場があり、うち7つが首都高速都心環状線の以東の地域に点在している。低地価地域への集中が見てとれるが、複雑に入り組んだブロックの内側とともに比較的広幅員な道路に面した地点にも分布している。ビル建設用地として取得したものの、小規模さや景気の低迷により現在はコイン式駐車場として運用しているものと思われる。コイン式駐車場の平均規模は165m^2で、6.5台の駐車スペースを有している。これらの所有者の変遷を登記簿により確認すると、1984年は法人が4、個人が9であったが、2000年にはそれぞれ10、3と一転しており、土地所有の法人化が進展している。個人から法人への所有権の移転は1980年代後半の地価高騰期に生じており、移転原因も売買や相続物納、相続後の競売売却が主なもので、都心部の異常な地価高騰がその背景にある。また、1987年当時の従前の土地利用は、2階建ての低層建築物での印刷工場や飲食店を兼用した住宅、倉庫、歯科医院、屋外駐車場、事務所などであり、低次な利用であったことが判明した。
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Research Products
(1 results)