2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680099
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
大瀧 ミドリ 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (40056388)
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Keywords | 3歳児 / 母親 / 生活文化 / スクリプト / スロット / ままごと遊び |
Research Abstract |
本研究の目的は、子どもの生活を象徴するままごと遊びに関するスクリプトの形成を指標とし、1歳児を対象に3年間継続研究を行い、子どもが遊びを介して生活文化を体得する過程を明らかにすることにある。 本年度の研究対象は、3歳0ヶ月児とその母親44組(男児14名、女児30名)である。対象の母子は、平成12年度から研究に協力を得ている人々である。対象児の誕生日の前後2週間以内に大学の観察室に来所を依頼する。観察室に木製のままごとセット、バスセット、Bブロックセットの3種類の玩具を配置する。観察室の四隅にカメラを各1台設置し、母子の行動を録画後、パソコンに取り込み、5秒単位のファイルを作成する。ファイルを反復視聴し、スクリプトの構成要素であるスロットを分析するため、38項目のカテゴリーに分類する。 スクリプトの構造と特徴およびスクリプトの構造化に関する母親の関わりについて検討し、以下の結果を得る。 (1)母子ともに食べるに関するメインスロット、飲むに関するメインスロットの全てが出現する。しかし、その出現は一様ではないことが明らかになる。 (2)子どもは調理や供応、片付けに関するスロットの表出が多く、母親は飲食時のマナーや「おいしいという」などの賞賛のスロットの表出が多い。 (3)食べるに関するスロットでは、母親は子どものスロットに対して発話や応答的な関わりをすることによりスクリプトの構造化を図るなど、スクリプトの構造化に母親が重要な役割を果たす。 (4)飲むに関するスロットでは、子ども自身でスロットの時系列的関連づけが可能となり、子どもの内部で飲むに関するスクリプトの構造化が進展していることが示唆される。
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Research Products
(1 results)