2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680121
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
佐藤 宏子 静岡県立大学短期大学部, 助教授 (60165818)
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Keywords | 中年世代 / 老親扶養意識 / 扶養意志 / 老後意識 / 介護 / 老後生活 / 有配偶女性 |
Research Abstract |
本研究は静岡市に居住する40〜55歳の中高年有配偶女性に対して「中年世代の老親扶養と老後生活に関する調査」を実施し、老親扶養規範意識、老親扶養や介護の実態、老親に対する扶養意志、対象者自身の老後生活を明らかにすることを目的としている。昨年度は、老親扶養規範意識、相続意識に関する21項目の分析を行った。本年度は、老親の生活実態や老親に対する扶養意志について分析、考察をし、次の点が明らかになった。(1)親は「既婚子と同居」している者が、本人の親46.3%、夫の親44.9%と最も多く、次いで「親夫婦二人暮らし」が本人の親24.7%、夫の親26.2%、「一人暮らし」が本人の親13.2%、夫の親15.8%である。従って、子どもと別居している親の割合は、本人の親では42.0%、夫の親では47.4%である。(2)対象者の年齢が高いほど、夫の親、本人の親ともに「既婚子との同居」が高率であり、'「50歳以上」では夫の親53.2%、本人の親57.4%を占めている。しかし、「50歳以上」では「一人暮らし」も夫の親、本人の親ともに20%弱に達している。(3)親の介護を「経験したことがある」対象者は22.9%、「現在介護している」対象者は3.6%であり、対象者の4分の1以上が親の介護経験を持っている。また、「介護の経験はないがいずれする」と答えた者が30.1%であり、親の介護を自分自身に直接関わる問題として認識している対象者は60%弱に達している。(4)対象者の扶養意志を全般的にみると「長男中心の扶養」、あるいは「長男まかせの扶養」となっている。とりわけ、夫の親に関して「長男以外の妻」である対象者に「長男まかせの扶養」が顕著である。一方、対象者本人の親については娘である対象者自身も経済的援助、介護を分担する意志を持つ者が多い。とりわけ、介護分担には80%以上の対象者が高い意欲を示している。また、中年世代は社会福祉サービスに対して非常に大きな期待をもっている。
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