2001 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症の防御に対する難消化性多糖類の有効性に関する研究
Project/Area Number |
12680137
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山本 由喜子 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (00174821)
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Keywords | 玉ねぎ / 骨形成 / 骨芽細胞 / ケルセチン / Ca吸収 |
Research Abstract |
本年度は前年度に続いて、日常的に摂取する食品である玉ねぎについて検討した。玉ねぎはオリゴ糖が多く含まれその骨量への効果が期待されるばかりでなく、ケルセチンのようなフラボノイド含量が多く、その骨量への効果も期待される。そこで、実験1では玉ねぎを添加した飼料をラットに投与した場合の、カルシウムの吸収、生体内における骨代謝に対する影響を調べた。まず、若齢期(11週齢)の雄性SDラットにコントロール食(0.5% Ca,5% セルロース)、低カルシウム食(0.1% Ca,5% セルロース)、タマネギ食(0.1% Ca,5% タマネギ乾燥粉末)をそれぞれ投与して4週間飼育した。その結果、低カルシウム食群ではコントロール食群に比べてCaの見かけの吸収率の増加、尿中へのCa排泄量の減少、大腿骨重量の低下が認められた。しかし低カルシウム食群とタマネギ食群ではそれらの測定値に有意差が認められなかった。さらに、離乳期(4週齢)の雄性SDラット8週間飼育した場合についても玉ねぎの影響を調べた、その結果、離乳期ラットでもタマネギ食投与により、コントロール食群に比べて血中Ca濃度、Caの見かけの吸収率、尿中へのCa排泄量に有意差が認められなかった。しかし大腿骨のCa濃度はコントロール食群に比べてタマネギ食群では有意に高い値であった。 実験2では、玉ねぎの成分中であるケルセチンの骨芽細胞への影響について他のフラボノイド及び大豆イソフラボンと比較検討した。細胞の増殖に対する影響と、細胞による骨形成に対する影響を調べた。骨形成の程度は骨形成マーカーであるアルカリフォスファターゼ活性を測定し、石灰化の指標としてCa結晶形成量を測定した。その結果、大豆イソフラボンよりは劣るものの、ケルセチンにも骨形成促進作用があることが認められ、玉ねぎによる骨形成促進の可能性が示唆された。
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