2002 Fiscal Year Annual Research Report
米粉を利用したトルティア状食品の特性―特にカルシウム・マグネシウム強化について―
Project/Area Number |
12680140
|
Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
森高 初恵 昭和女子大学, 生活科学部, 助教授 (40220074)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福場 博保 昭和女子大学, 生活科学部, 教授 (80017219)
木村 修一 昭和女子大学, 生活科学部, 教授 (70005586)
|
Keywords | 米粉 / トルティア状食品 / カルシウム塩 / マグネシウム塩 / 糊化 |
Research Abstract |
うるち米粉に0.5%炭酸カルシウム単独と、これをベースに濃度の異なる硫酸マグネシウムまたは塩化マグネシウムを添加した試料およびうるち米粉に0.5%水酸化カルシウム単独と、硫酸マグネシウムまたは塩化マグネシウムを合わせて添加した試料の未加熱生地、加熱生地、加熱後水浸漬した生地について、クリープメータによる破断特性、X線回折装置による結晶化度の測定、走査型電子顕微鏡による組織観察を行った。 米粉に0.5%の炭酸カルシウムを単独で添加すると、X線回折曲線のピークは減少し、加熱生地の破断応力は減少した。0.5%の炭酸カルシウムと共に硫酸マグネシウムまたは塩化マグネシウムを混合した試料では、0.5%炭酸カルシウム単独と比較し、加熱生地、加熱後水浸漬生地の破断応力は増加したが、未加熱生地では減少した。炭酸カルシウムと硫酸マグネシウムを共に添加した加熱生地のX線回折曲線のピークは小さくなり、結晶構造の崩壊が促進すると考えられたが、塩化マグネシウムでは加熱生地の結晶化度および放置生地の結晶化度に大きな変化は観察されなかった。米粉に0.5%の水酸化カルシウムを単独で添加すると、X線回折曲線のピークは減少し、加熱生地の破断応力は増加した。0.5%の水酸化カルシウムと共に硫酸マグネシウムまたは塩化マグネシウムを混合した未加熱生地では、破断応力は減少した。硫酸マグネシウムを混合した生地の吸水率は、塩化マグネシウムを混合した生地よりやや高く、破断応力も高くなり反対に破断歪みは低くなった。示差走査熱量曲線、X線回折ピークの結果と考え合わせると、水酸化カルシウムに塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムを混合すると、水酸化カルシウムと比較して糊化は抑制されたが、米粉単独生地よりは糊化は促進された。食品としては水酸化カルシウムを添加することで生じる強いアルカリ臭、黄変、エグミが、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムを混合することで改善され、米粉の利用性は高まる結果となった。
|
Research Products
(1 results)