2000 Fiscal Year Annual Research Report
焙煎食品中ピラジン類縁体の酸化障害抑制作用および血小板凝集・血流に及ぼす影響
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12680154
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Research Institution | Tokai Gakuen Women’s College |
Principal Investigator |
西堀 すき江 東海学園女子短期大学, 生活学科, 教授 (60082369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
並木 和子 椙山女学園大学, 生活科学部, 名誉教授 (90065011)
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Keywords | 焙焼食品 / ピラジン類 / 抗酸化活性 / 生体膜抗酸化試験 / 活性酸素消去活性 / 血小板凝集阻害 / 血流改善効果 |
Research Abstract |
糖とアミノ酸混合物を加熱するとアミノカルボニル反応による褐変と同時に芳ばしい香気が発生する.この中にはきわめて多種多様の揮発性物質が存在するが,これらはNH3・H2S・CH3SCH3・CH3SHのような常温でガス状のもの,ストレッカー分解により生成するアルデヒド類,N・Sを含むヘテロ環化合物に大別することができる.ピラジンはN・Sを含むヘテロ環化合物の一種で,焙焼によって生成するフレーバーの主なものはピラジン誘導体である.焙焼したココア,コーヒー,ピーナッツ,ポップコーン,ローストビーフ,チキン等から70種以上のピラジンが同定されている.これはストレッカー分解の結果生成したエナミノール,またはアミノケトン誘導体の縮合により生成するもので,アルキル置換基C1〜C3が普通であるが,アセチル基,シクロペンタン環,フラン環を有するものも存在する.そこで今回は実際の食品を分析するに先立ち,ピラジン標品の生理活性と構造相関に関して検討した. ロダン鉄法による抗酸化活性,ウサギの赤血球膜による生体膜抗酸化試験,キサンチン・キサンチンオキシターゼ系から生成する活性酸素消去活性について検討した結果,抗酸化活性に関しては,ピラジンにメチル基やエチル基のアセチル基がつくと活性が弱くなり,プロピル基がつくと活性が強くなった.生体膜抗酸化試験では2-エチル-56-ジメチルピラジンが,活性酸素消去活性では,ピラジン-23-ジカルボン酸,ピラジンカルボン酸に強い活性があったか,何れも100mMα-トコフェロールより強い活性を示すものはなかった.食品からの全ての香気濃縮物はロダン鉄法において強い抗酸化活性を示した.100mMα-トコフェロールより強い活性を示したものはコーヒーであった. 現在は血漿難凝集阻害,血流改善効果に関して検討を進めている.
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