2000 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組み換え作物に対する現職家庭科教諭の意識調査と教材化に関する研究
Project/Area Number |
12680182
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
前田 英雄 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (90094044)
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Keywords | 遺伝子組み換え作物 / 遺伝子組み換え大豆 / 家庭科教諭 / 意識調査 / 教材化 |
Research Abstract |
遺伝子組み換え食品が商品として出回るようになるに伴い、それが環境へ与える危険性、安全性、表示の問題が生じている。本研究による調査内容は、家庭科担当教師の基本属性、遺伝子組み換え食品の内容を「認識度」「関心度」「イメージ」「表示」などに関する項目で行った。「遺伝子組み換え食品の認識度」においては大部分の教師が遺伝子組み換え食品について認識しているが、遺伝子組み換え食品に対して悲観的な考えを抱いている。その要因として、食品に利用される新しい科学技術が一般消費者に理解されにくいことやマスコミより報道される内容が消費者にとって不安を抱かせるものが多かったことが推察される。つづいて「遺伝子組み換えの関心度」及び「遺伝子組み換え食品に対するイメージ」においては長年経験を積んだ教師は関心が高いが、同時に抵抗を感じる割合も若い教師より高値を示した。一般的に新しい技術に対しての受け入れは年配者より若い世代の方が寛容であるが、遺伝子組み換え食品についても同様のことが伺えた。また、「遺伝子組み換え食品の表示」に関しては教師の品質表示の関心は高く、遺伝子組み換え食品の表示義務づけを望んでいることが示唆された。また、「家庭科教育における遺伝子組み換え食品」については、大多数の教師が教材の必要性を感じていた。これらの教材化の一助として除草剤耐性大豆の栽培試験を行った。豆腐業者の使用する大豆を用いて栽培し、除草剤散布実験により調査したところ、5業者のうち4業者に25-95%の割合で除草剤耐性大豆の混入が予想された。現在、除草剤耐性大豆が産生するタンパク質(CP4EPSPS)に対する抗体を組み込んだ市販のキット(SD社)を用いて、大豆の葉や実から遺伝子組み換えタンパク質を検出できる教材化の応用を試みている。 また、鳴門教育大学家庭教育講座の平成12年度の公開講座でも現職家庭科教諭に対して、遺伝子組み換え大豆の検出の講義や実験を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 橋本佳代子,前田英雄: "高等学校教諭における遺伝子組み換え食品の意識調査と豆腐業者における遺伝子組み換え大豆の混入について"家庭科教育実践研究誌. 5巻. 31-40 (2000)
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[Publications] 前田英雄,橋本佳代子: "遺伝子組み換え食品の現状について-高等学校家庭科教諭の意識調査-"家庭科教育. 74巻9号. 56-62 (2000)