Research Abstract |
本研究は,質問紙調査により,情報教育実践の評価を全国規模で試みることを目的とするものである。その際,マルチメディアやネットワークに対する子どもの態度を評価の視点とした。これは,情報教育の目標体系のうち,情報活用の実践力の基盤であり,かつ情報社会に参画する態度の具体的な現れとなるものである。こうした評価研究を遂行するために,情報教育を推進している教育現場の教師たちと共同研究体制をとり,本年度は,次のような作業を展開した。 (1)対象校の選定と交渉 4月から9月にかけて,学校の情報教育カリキュラムの開発状況,情報機器環境の整備状況,国公立,校種のバランスを考えて,本年度は,次のような学校を調査対象に選定した。 ・和歌山県有田郡湯浅町立湯浅小学校(5・6年生200名),岡山市立平福小学校(5・6年生200名),香川大学教育学部附属坂出小学校(5・6年生160名) ・大阪教育大学附属平野中学校(2年生120名),広島県安芸郡安芸津町立安芸津中学校(2年生150名) これらの学校を訪問して,調査の趣旨説明をおこなうとともに,調査形式・日程に関する打ち合わせをおこなった。また,学校の情報教育の実際を聞き取り調査したり,授業の様子を観察したりして,データの分析・考察の備えとした。 (2)調査の再構成 調査対象校の選定と並行して,前年度までに開発していた2種類の調査(メタファ法,絵画投影法)の内容・形式を部分的に修正した。また,個々の児童・生徒のメディア行動を把握するためのフェイスシートも作成した。10月には,調査用紙を印刷し,対象校に配布した。 (3)調査の実施と集計 11〜12月にかけて,各学校での実施に着手した。1〜2月にかけて,回答の収集とデータのコーディング,コンピュータへの入力をおこなった。なお,データの入力・保管等のため,高速処理が可能なコンピュータを1台購入した。
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