2001 Fiscal Year Annual Research Report
初等・中等教育における一貫カリキュラムの構築―造形美術教科教育の再構築―
Project/Area Number |
12680245
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
降籏 孝 山形大学, 教育学部, 助教授 (41186366)
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Keywords | 図画工作教育 / 美術教育 / カリキュラム / 教科教育 / 造形美術教育 / 教育課程 |
Research Abstract |
本実績報告書は、3年次計画の第2年次で第1年次における研究内容と成果の結果を受けて、以下のような研究活動を実施することができた。 第1に、第1年次での研究において、先行研究の考察対象の1つとして、山形県西置賜地区現職教育協議会の造形専門部会によって作成された「図工美術科における発達段階に応じた学習内容の系統(試案)」通称-系統試案の分析及び考察を行った。その研究成果については第23回美術科教育学会筑波大会において発表を行った。学会発表での質議の過程で、この系統試案の作成経緯や諸外国の発達理論との関連をさらに明確にする必要を感じ、第2年次の第1の研究課題として取り組んだ。具体的な研究内容としては、実際に関係者に会って2回目の聞き取り調査を行いさらに資料収集した。第一年次段階での研究よりもさらに多くの情報を得て深く考察する事ができた。この研究過程より、年度当初の目的を達成することができた。 第2に、第1年次においては、アメリカにおける美術教育用教科書にも着目し、分析と考察も合わせて行いながら研究をすすめてきた。その研究過程において、美術教育教科書の骨幹となるNAEA(全米美術教育学会)作成によるNational Standardsの存在を知り、第2年次の重要な研究考察対象とした。このナショナルスタンダードは、幼稚園から高等学校までを4段階のレベルで示した視覚芸術における体系的な国家基準である。この研究考察を経て、本研究テーマである日本における初等・中等教育における一貫カリキュラムの構築に際して、具体的な示唆を抽出する事ができた。 以上、第1と第2の研究成果は、第48回大学美術教育学会茨城大会において、発表題目「造形美術教育体系カリキュラムの構築-系統試案及びNAEA:National Standardsの考察-」で発表を行った。今迄の研究成果をふまえて、現行の学習指導要領と教科書を考察すると共に日本における具体的な一貫カリキュラムの試案作成とその検証が今後の課題となり、第3年次の研究目標となっている。
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Research Products
(2 results)