2001 Fiscal Year Annual Research Report
学校体育のためのフィットネス教育プログラム「HELP」の開発とその有効性の検証
Project/Area Number |
12680263
|
Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
井谷 惠子 京都教育大学, 教育学部, 教授 (80291433)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北田 和美 大阪女子短期大学, 助教授 (30204895)
中 比呂志 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (00217639)
|
Keywords | 体育科教育 / フィットネス / カリキュラム |
Research Abstract |
本研究では,アメリカにおけるフィットネス教育プログラムを検討した上で,わが国とアメリカとの差異を考慮しつつ,新しい理念に基づいたフィットネス教育プログラムの開発を試みた.このプログラムに基づき,試行的な実践を行い,開発プログラムの可能性を検討した. 1.わが国に応じたフィットネス教育プログラムの開発と実践 第一期(平成12年度)は、高校生・大学生を対象に計画立案し、試行的にフィットネス教育実践を実施した。プログラムの詳細な内容については、受講者向けの「フィットネスHELPの学習」という小冊子を作成し、その中に記述した。第二期(平成13年度)では、前年のプログラムをもとに、大学生、及び中学生対象に授業を展開した。 2.データ分析とフィットネス教育プログラムの成果についての検討 学習者の行動学的変化,身体活動に対する価値観や有能感の変化,および,知識や理解の達成度など総合的な検討を試みた. 中学生については、有能感や知識習得に向上が見られたが、身体活動への意識には変化がみられなかった。形成的授業評価は単元の進行と共に上昇した。また、対象クラスとの比較からは、学習者による授業評価において差がみられた。 大学生を対象とした実践では,学習者の運動への態度調査,有能感調査,運動習慣のステージ調査,及び歩数から,身体活動に対する態度や行動の変化を検討した.また,学習者を身体活動に対する態度によって3グループに分け,それぞれのグループの変化に着目した.この結果・運動習慣のステージ調査では,無関心期,関心期の受講生がより高いステージに移行していることが明らかになった.有能感調査,態度調査の結果からも同様の傾向がみられた.しかし,準備期や実行期などの比較的高いステージにある受講生には向上がみられず,このプログラムがそれらのステージには有効とは言えないことが明らかになった.
|
-
[Publications] 井谷惠子: "アメリカの学校体育におけるフィットネスプログラムの変容-体力づくりからフィットネス教育へ-"体育学研究. 16(4). 323-336 (2001)
-
[Publications] 井谷惠子, 北田和美: "フィットネス教育プログラム「HELP」の開発とその理論的基盤"運動・健康教育教育. 11(1). 58-68 (2001)
-
[Publications] 井谷惠子, 中比呂志, 北川順一他: "中学校体育へのフィットネス教育の導入とその可能性"京都教育大学附属教育実践総合センター教育実践研究紀要. 2号(掲載決定頁未定). (2002)
-
[Publications] 井谷惠子, 北田和美, 中比呂志: "フィットネス教育プログラム「HELP」が受講者の心理・行動に及ばす影響"スポーツ教育研究第21回大会号. 25 (2001)