2000 Fiscal Year Annual Research Report
飛翔生物のビジュアルシミュレーション法に関する研究
Project/Area Number |
12680323
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
村岡 一信 岩手大学, 工学部, 助教授 (30219878)
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Keywords | ビジュアルシミュレーション / コンピュータグラフィックス / バーチャルリアリティ / 飛翔生物 / はばたき / 鳥 / 蝶 |
Research Abstract |
準定常状態に基づくはばたきの基本飛翔モデルについて,複数種の蝶の飛行特性を表現するため飛翔経路の制御を行う拡張を行った.拡張モデルによりシミュレーション実験を行い,異なる蝶の飛翔の表現が可能であることを確認した.本モデルによりアゲハ,モンシロ,タテハ,セセリを表現するためのパラメタが求められた. 鳥の飛翔モデルについては,まず,実際の鳥の飛翔形態を文献およびビデオ資料により調査し,小型の鳥の特徴を表現する飛翔形態として直飛と波状飛,大型の鳥の特徴を表現する飛翔形態として帆翔と旋回飛翔の実現がCGの鳥の飛翔モデルとして重要であることを確認した. 蝶のはばたき飛翔モデルを鳥のはばたき飛翔モデルに拡張するため,鳥の翼の骨格モデルを構築し,これによるはばたき動作と,力の計算が行えるようにモデルを改良した.はばたきのフラッピング関数,フェザリング関数,揚力抗力関数は鳥と蝶では異なるため,蝶のための関数をそのまま適用すると飛翔を維持することができない.このため,鳥のビデオ映像の観察などからこれらの関数を推定し,鳥のための関数を新たに設計した.本モデルに実際の鳥のデータ(全長,全幅,翼の面積,体重,はばたき周期等)を与え,飛翔の維持が可能であることをシミュレーション実験により確認した.実際の鳥のデータとして小型の鳥はムクドリ,大形の鳥はワシを用いた.次年度では,このモデルに直飛,波状飛,帆翔,旋回飛翔を行える拡張を行い,異なる鳥の特徴的な飛翔を実現する.
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