2002 Fiscal Year Annual Research Report
分散システムにおける自己安定共有オブジェクトの実現とその応用に関する研究
Project/Area Number |
12680349
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
増澤 利光 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (50199692)
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Keywords | 分散システム / 分散アルゴリズム / 共有オブジェクト / フォールトトレランス / 自己安定 / グループ通信 / 探索木 / 性能評価・解析 |
Research Abstract |
大規模分散システムの効果的な設計法として、共有オブジェクト(探索木、優先度付き待ち行列など)を構築し、その共有オブジェクトを利用して分散システムを設計する階層的設計法が用いられている。本研究では、共有オブジェクトに自己安定性(故障による破壊から自己修復できる特性)を持たせる方法の提案とその有効性の実証を目的とする。 平成12、13年度には、自己安定共有オブジェクトの定式化、および、基本的なオブジェクトである探索木、ヒープを対象に、1台の計算機上に自己安定オブジェクトを実現する方法を検討した。さらに、この実現法を拡張し、ネットワーク上に自己安定共有オブジェクトとして実現する方法を提案した。 平成14年度は、主として以下の研究成果を得た。 ・上記の自己安定共有オブジェクトの実現において、原子ブロードキャストが重要な基盤技術となっている。自己安定共有オブジェクトの汎用設計法の基盤技術となる、ブロードキャスト等のグループ通信技術の効率化、および、故障耐性を持たせる方法について検討し、いくつかの成果を得た。 ・提案法の有効性を示すためには、その性能評価・解析が重要となる。しかし、分散システムでは非同期性のために非決定性動作が生じ、性能評価・解析は容易でない。そこで、分散システムでの性能評価・解析を容易にするための手法を提案した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 浮穴 学慈: "非停止永久故障に耐性を有する自己安定生成木構成プロトコル"電子情報通信学会論文誌(DI). J85-D-I・11. 1007-1014 (2002)
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[Publications] 大下 福仁: "異種並列計算環境におけるブロードキャストスケジューリング"電子情報通信学会論文誌(DI). J86-D-I・2. 88-98 (2003)
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[Publications] Fukuhito Ooshita: "Scheduling for gather operation in heterogeneous parallel computing environments"IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences. (採録未定).
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[Publications] Fukuhito Ooshita: "Efficient gather operation in heterogeneous cluster systems"Proceedings of the 16th Annual International Symposium on High Performance Computing Systems and Applications. 196-204 (2002)
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[Publications] Daisuke Kondou: "A self-stabilizing protocol for pipelined PIF in tree networks"Proceedings of the 22nd International Conference on Distributed Computing Systems. 181-190 (2002)
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[Publications] 中南 良浩: "非同期式状態通信モデルにおける分散アルゴリズムの時間計算量評価の一手法"電子情報通信学会技術研究報告. COMP2002-9. 1-8 (2002)
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[Publications] 泉 泰介: "タイミング故障および停止故障に対する故障耐性を有するアトミックブロードキャスト"電子情報通信学会技術研究報告. COMP2002-65. 21-28 (2003)