2001 Fiscal Year Annual Research Report
免疫機構を用いた分散システムの動的適応に関する研究
Project/Area Number |
12680359
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山本 喜一 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (20051873)
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Keywords | 動的適応 / 人工免疫ネットワーク / メタレベルアーキテクチャ / Webサーバ / ネットワークサーバ / 細粒度オブジェクト / 自己組織型システム / デザインパターン |
Research Abstract |
不特定多数のユーザ(人間又はシステム)が使用するサーバのように,その利用形態や環境が動的に変化するソフトウェアをどのように作り上げるかは,興味深い問題である.動的な環境変化が予測できる場合には,それらの条件と対応をプロダクションルールとして記述し,ソフトウェアにあらかじめ組み込んでおくことで対応することができる.一方,Webサーバのようにアクセスパターンが全く予測できないようなソフトウェアでは,システムが動的な環境変化に自律的に適応できれば,システム開発者にとっての利便性が大きいと考えられる. 本研究は,システムが環境変化に追随して動的に適応するための仕組みを作り上げることを目的とし,そのために細粒度オブジェクト,自己反映計算,メタレベルアーキテクチャを利用した.自律的かつ動的な環境への適応のためには,人工免疫ネットワークを利用した方針決定エンジンiNexusを実現し,これらを用いたOpenWebServerを実現して,動的に変化するアクセスに対してWebサーバでの処理方式を動的に変更して適応できることを確認した.さらに,処理方式の変更はサーバでの処理を継続しながら行うことができ,シミュレーションの結果から変更に要する時間も十分実用に耐えるとの結論が得られた.また,生体の免疫機構と同様に免疫(環境変化)に対する記憶を実現できたことから,同様な環境変化に対しては次第に迅速に対応するようになることも明らかとなった. システム全体の動的適合の例として,クライアント,サーバの両者をモバイルエージェントとして実現し,それらが自律的に交渉の場を構成し,その場が置かれているハードウェアの負荷が大きくなったときには,場を分割して一部を新しいマシンに移動し,負荷が小さくなると場を統合するシステムも実現した.今後,状況を判断し方策を決定する部分に人工免疫ネットワークを組み込む予定である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Junichi SUZUKI: "Building A Next-Generation Infrastructure for Agent-based Distance Learning"The International Journal of Continuing Engineering Education and Life-Long Learning. (to appear). (2002)
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[Publications] Junichi SUZUKI: "Biologically-Inspired Autonomous Adaptability in a Communication Endsystem : An Approach Using an Artificial Immune Network"IEIEC Transactions on Information and Systems. E84-D・12. 1782-1789 (2001)
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[Publications] Tetsuo OTANI: "Partial Extension Package for the Flexible Customization of a Network Management Information Model"IEIEC Transactions on Communications. E84-B・7. 1897-1906 (2001)