2001 Fiscal Year Annual Research Report
モンテカルロ多次元積分における並列計算アルゴリズムの研究
Project/Area Number |
12680363
|
Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
湯浅 富久子 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助教授 (00203943)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛松 敬二郎 工学院大学, 工学部, 助教授 (40237102)
石川 正 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助教授 (90184481)
川端 節彌 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 教授 (40152996)
|
Keywords | モンテカルロ積分 / 並列計算 / メッセージパッシング / 素粒子反応 / 散乱断面積 |
Research Abstract |
平成13年度は 1、並列計算アルゴリズム試験環境の充実 2、「モンテカルロ多次元積分パッケージDICE」の並列化 を行なった。以下にその詳細を述べる。 1)平成12年度には高性能計算機2台を導入し並列算試験環境を構築した。今年度はさらに2台を追加導入し、計4台からなる並列計算試験環境へと拡張した。ここではメッセージパッシングの方法による並列計算が可能であるよう環境を整えた。 2)1)で整備した環境で「MPIを使ったハイブリッド並列型モンテカルロ多次元積分」の開発に着手した。これまで我々が用いてきた汎用の多次元モンテカルロ積分は、被積分関数が多次元空間内のハイパー平面上に特異性をもつ場合は取り扱うことができない。このため位相空間内で変数変換を行ない特異点をさける手法をとってきたが、次元数の増大に伴い変数変換が困難になってきている。これを解決するためにDICEモンテカルロ多次元積分が川端・飛松によって開発された。DICEは積分空間で特異点のある空間だけをサイコロ状に階層的に分割していくという手法を用い、ハイパー平面での特異性のある被積分関数の積分を扱うことを可能にしている。DlCEはスーパーコンピュータなどベクトル型高性能計算機で動作しているが、これをメッセージパッシングによる並列計算環境で効率的に動作するようにすれば、その汎用性は格段に向上する。これを目標に今年度は、DICEのメッセージパッシングの標準であるMPIを使って並列化を開始した。並列の手法はサンプル点を分散する方法とハイパー平面の分割の両方をもちいるハイブリッド並列型とする。これまでにサンプル点を分散する方法のアルゴリズムの開発および実装を終了している。
|
Research Products
(1 results)