2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680396
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Research Institution | INTERNATIONAL CHRISTIAN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松井 智子 国際基督教大学, 教養学部, 準教授 (20296792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 裕治 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10211575)
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Keywords | 関連性理論 / ゼロ代名詞 / 名詞句指示表現 / 語用論 |
Research Abstract |
平成14年度は、まず実証研究に関して、新たな発展がみられた。英語代名詞の解釈に応用され高い成功率をおさめているセンタリング理論を、日本語ゼロ代名詞の解釈に単純に応用してもあまり成果が望めないという前年度の知見を生かし、今年度、研究分担者を中心として、センタリング理論の要素を生かしつつ、機械学習を用いた照応解析を改良するという方法で、精度の高い手法が提案され、評価実験でも高い成功率が確認された。詳細は研究分担者の論文、「機械学習によるゼロ代名詞同定の一方法」(情報処理学会研究報告、自然言語処理研究会、2002-NL-154)などに報告されている。 研究代表者は、関連性理論の「文脈効果」「処理負担」という2概念に加え、「文脈効果の期待」と「発話の言語を媒介とした意味」(専門的には「表意」などと呼ばれる)の相互作用が指示表現解釈に大きな影響を与えると仮定し、カリフォルニア大学サンタクルズ校のRaymond Gibbsとさらなる実験を行った。3月に仮説を支持する詰果が得られ、その結果は研究成果報告書に掲載される予定である。さらに、指示表現解釈に影響を及ぼす談話接続詞の意味と獲得に関する研究では、使用頻度の高い「だから」と「だって」について研究を進めた。その結果は、研究代表者の論文"Semantics and pragmatics of Japanese discourse marker dakara (so/in other words): A unitary account"及び"What can children's use of the Japanese discourse connective datte tell us about their ability to read minds?"を参照されたい。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] MATSUI, Tomoko: "Semantics and pragmatics of Japanese discourse marker dakara (so/in other words) : A unitary account"Journal of Pragmatics. 34. 867-891 (2002)
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[Publications] 松井智子: "認知語用論と「心の理論」"財団法人 語学教育研究所編「市河賞36年の軌跡」. 343-352 (2003)
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[Publications] Peter McCagg, Tomoko Matsui, Taeko Yamamoto: "What can children's uses of The Japanese Discourse connective datte tell us about their ability to read minds?"ICU Language Research Bulletin. 17. 89-103 (2002)
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[Publications] 飯田龍, 乾 健太郎, 高村大也, 松本 裕治: "機械学習によるゼロ代名詞同定の一方法"情報処理学会研究報告, 自然言語処理研究会. 2002-NL-154. 161-168 (2002)
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[Publications] Ryu Iida, Kentaro Inui, Hiroya Takamura, Yuji Matsumoto: "Incorporating Contextual Clues in Trainable Models for Coreference Resolution"EACL 2003 Workshop on The Computational Treatment of Anaphora. (2003)