2002 Fiscal Year Annual Research Report
「完全4次元同次処理」と「ユークリッド処理」の総合比較
Project/Area Number |
12680400
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山口 富士夫 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50117298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 典正 東京農工大学, 工学部, 助手 (70277846)
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Keywords | 完全4次元同次処理 / 計算幾何学 / CAD / CAGD / 同次座標 / プリェッカー座標 / ソリッドモデリング / 曲線と曲面 |
Research Abstract |
筆者は、CADなどで用いられる、コンピュータによる幾何演算・処理に関し、「完全四次元処理」という新しい学問体系を研究し、その体系を明らかにしている。本研究は、「完全四次元処理」と従来手法、すなわち「ユークリッド処理」とを、理論と実験の両面から、斯界の専門家との討論を通し、様々な観点から総合的に検討、比較し、「完全四次元処理」の特性を明らかにしようとするものである。 CADシステムには、高い信頼性が求められる。信頼性に直接影響を与える、演算の厳密な正確さ、頑健性(安定性)、簡潔性の諸点では、「完全四次元処理」がきわめて優れていることが実験的に示されている。例えば、本方式では有理数を扱う限り厳密に正確な演算が可能である。また有理曲線・曲面に対する幾何的ニュートン法において、頑健性の優劣は明白である。これらは根本的には除算の有無に起因していることも明らかになっている。また射影前すなわち除算を行う前のデータに関して処理する本方式は、射影後に様々な形状に変化するユークリッド処理に比べ処理の簡潔性の点で有利である。 更に明らかになった事柄は、「完全四次元処理」が、体系的なシステムを構築するための好ましい特性、すなわち一般性、統一性、双対性をも併せ持つということである。 ただし現在のコンピュータは、必ずしも「完全四次元処理」に適しているわけではない。例えば確かに厳密に正確な演算は可能であるが、演算能率の点に問題がある。「完全四次元処理」に潜在する優れた特性を十分に発揮させるための四次元コンピュータの出現が期待される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 木村雅紀: "同次パラメータ同次幾何的ニュートン法に関する考察"精密工学会誌. 67・12. 1950-1955 (2001)
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[Publications] 山口富士夫: "立体復元CADによる三面図教育"図学研究. 35・3. 33-34 (2001)
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[Publications] 山内俊哉: "多変数Sturm列を利用した曲線・曲面の交点の存在判定"精密工学会誌. 67・3. 498-503 (2001)
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[Publications] 山内俊哉: "浮動小数点ユニットを利用した4×4行列式の適応的符号判定処理"精密工学会誌. 66・8. 1190-1195 (2000)
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[Publications] Fujio Yamaguchi: "Computer Aided Geometric Design -A Totally Four-Dimensional Approach"Springer-Verlag. 664 (2002)